なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

映画

映画と駐輪 4.京都みなみ会館

京都みなみ会館は、1階が駐輪場になっている。駐輪は無料。みなみ会館は建物の2階にあり、以前は1階がパチンコ屋さんだったように記憶しているが、今はなくなっていて駐輪スペースに。まだ自転車で訪れたことはないけれど、駐輪場完備と知っておくとレンタ…

映画『セッション』ずっと緊張しっぱなし

はじめのシーンから終わる瞬間まで、これほど緊張が緩和するスキがない作品を初めて見た。映画『セッション』。名門音楽学校でジャズドラムを学ぶ19歳の青年ニーマンは、学内選りすぐりのメンバーを集めたビッグバンドを指導する教師フレッチャーに出会う。…

シネ・ヌーヴォの企画「銀幕デビューから八十年 女優 原節子のすべて」

映画館を訪れたらいつでもスクリーンで原節子に会えた7週間は、 振り返ればとっても贅沢な時間だった。終わってしまって寂しい。 シネ・ヌーヴォで開催された企画上映 「銀幕デビューから八十年 女優 原節子のすべて」。 2015年4月25日(土)〜6月12日(金)…

2004年に公開された映画『花とアリス』

そのまっただ中にいる時は気づかないんだろうけど、ある時期の女の子はまぶしい光を発しているのだなあ。そんな魅力がスクリーンいっぱいに広がっていた。2004年に公開された『花とアリス』。

映画『あっちゃん』見て笑って泣いた

あっちゃん。50歳男性、独身。ピエロのメイクをしたパンクロッカーに、親しみを込めてそう呼びたくなる。2014年にバンド「ニューロティカ」が結成30周年を迎えたのを機に制作された映画『あっちゃん』。30年間続けた唯一のオリジナルメンバーであり、ヴォー…

原節子主演作品『お嬢さん乾杯』

60年以上も前に作られた映画を今も見られて、しかも笑い声で盛り上がる場内に立ち会えるのは、なかなか貴重な機会であった。シネ・ヌーヴォの「銀幕デビューから八十年女優 原節子のすべて」特集で上映された戦後の風刺コメディの傑作『お嬢さん乾杯』。原…

原節子の最古の作品『魂を投げろ』

現存するなかで、原節子が出演した最古の映画が参考上映されるというので 観に行ってみた。1935(昭和10)年公開の『魂を投げろ』。 このとき原節子、15歳!! セーラー服姿の原節子はもちろんかわいいけれど、凛として美しい。 旧制中学の予選を描いた青春映…

映画『唐山大地震』 32年間の家族ドラマ

本が手放せないという、ものすごく読書家の方に聞いたことがある。 「小説というフィクションのかたちになって初めて、 歴史的な事柄を理解できるようになる」のだと。 ただ事実を並べるだけでは入ってこない。 優れた作り手が練った世界に入ってこそ、その…

季節に沿って生きる映画『リトル・フォレスト冬・春』

「冬が終わってまずすることは、次の冬の食料を作ること」。 夏に収穫したじゃがいもを翌春まで保存しながら食べ、春になったら真っ先に、 次のじゃがいもの植え付けに向けて準備するのだという。 一年に春夏秋冬という四季があって、冬には冬を、 春には春…

『忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー The FILM 〜♯1入門編〜』へよォーこそ!

残念ながら生でライブを体験したことのないけれど、 こうして映像で追体験できるのも悪くない気がした。 映画『忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー The FILM 〜♯1入門編〜』。 「KING OF ROCK」と称された忌野清志郎の1980年代から2000年代のライブ映像を…

かわいらしくてしぶとい映画『少女は自転車にのって』

自転車に乗りたい!って思ったら、日本だとわりとすぐにかなえられる。 でもサウジアラビアではあり得ないこととされる。女の子にとっては。 慣習から男性と女性とではまったく扱いが異なる国、サウジアラビア。 学校は完全に男女別で、女性が車を運転するこ…

淡いインド映画『めぐり逢わせのお弁当』

歌や踊りがてんこ盛りでストーリーも単純明快! そんなインド映画への先入観を一新するような作品に出合った。 『めぐり逢わせのお弁当』。 夫のために作ったお弁当を、ひょんなことから まったく知らない男性が食べることになり、 お弁当を通じて顔を知らな…

映画『ストックホルムでワルツを』のつづき

スウェーデンの国民的歌手モニカ・ゼタールンドが 田舎町の電話交換手から栄光をつかむまでを描いた映画『ストックホルムでワルツを』。 はじめの記事はこちら この映画を観ていて気分がいいのは、人がうらやむ輝かしい面だけでなく 転落や挫折、葛藤やどん…

美しくて俗っぽくぶっ飛んだ映画『太陽を盗んだ男』

観終わった後、頭がヒリヒリするような映画だった。「特集上映 銀幕にすべてを捧げた“男”の華が、映画の花道に咲き誇る『高倉健、菅原文太追悼上映』」、第4週に上映された『太陽を盗んだ男』。企画の意図をすっかり忘れるほど、グイグイつかまれる作品だっ…

映画『ストックホルムでワルツを』夢のありよう

スウェーデンでは誰もが知っているという歌姫モニカ・ゼタールンドの、実話にもとづくサクセスストーリー。ストックホルムから遠く離れた田舎町・ハーグフォッシュで暮らすモニカは、シングルマザー。電話交換手の仕事をしながら、時折バスでストックホルム…

映画館の記憶

ちょうど一年前の二月末に、梅田ガーデンシネマが閉館したことを思い出した。国内、海外のよい作品を、声高に宣伝するわけでもなく粛々と上映する姿勢が大好きだった。まさかなくなる日が来るなんて考えたこともなかったので、一昨年末に閉館の知らせが発表…

70年代の熱気が詰まった映画『県警対組織暴力』

自分の中に隠れていた荒くれ者の血が騒いだ、ような気がする。 「特集上映 銀幕にすべてを捧げた“男”の華が、映画の花道に咲き誇る 『高倉健、菅原文太追悼上映』」で取り上げられた映画『県警対組織暴力』。 「Don't think, Feel」とブルース・リーが語る…

初めて鑑賞した文太作品『わたしのグランパ』

こんなおじいちゃんがいたら ちょっと恥ずかしいけれど大好きになってしまうだろう。 『わたしのグランパ』。 おじいちゃんとは、菅原文太演じる五代謙三。 通称ゴダケンは、刑務所から出所したばかり。仁義を重んじるゆえある事件を起こし、13年の刑期に服…

追悼上映で初めて観る『鉄道員(ぽっぽや)』

「 特集上映 銀幕にすべてを捧げた“男”の華が、映画の花道に咲き誇る『高倉健、菅原文太追悼上映』」を、塚口サンサンで開催中。二人の主演作を一週間二本ずつ、四週間にわたり上映するという、すばらしい企画である。二週目にしてやっと初参加。一本目は、…

無名の英雄を描いた映画『ジミー、野を駆ける伝説』

ケン・ローチ監督の映画にはめずらしいほど、後味さわやかな作品だった。撮影時、御歳77歳だったというケン・ローチは、社会から見過ごされたり抹殺されたりする人々の姿をすくい取り、生き生きと描くイングランド出身の映画監督。 2014年に製作されたのが、…

黒澤明監督の映画『生きる』

ある用件で役所に問い合わせたひとが、たらい回しにされたという話を最近聞いた。 それで思い出したのが黒澤明監督作品の『生きる』。 1952年(昭和27)に公開、今から63年ほど前に製作された映画だ。 この映画の味わいどころは多々あるけれど、ストーリーは…

映画『365日のシンプルライフ』

フィンランド人の青年ペトリが 幸せを見つけるために、ある実験を始めた。 ルールは4つ。 ルール1.自分の持ちモノ全てを倉庫に預ける ルール2.1日に1個だけ倉庫から持って来る ルール3.1年間、続ける ルール4.1年間、何も買わない モノをすべて預けた空っぽ…

映画『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』

5台の隠しカメラで撮影された映像を見ていると、 神聖な時間をのぞき見しているような静かな高揚感を覚えた。 ピーター・ブルックは「現代演劇界の神様」とされる演出家。 彼のもとにあらゆる国の俳優やミュージシャンが集まり、2週間にわたり開かれたワーク…

映画『しあわせのパン』

観ているうちにお腹が空くという評判は本当だった。 『しあわせのパン』は、北海道・洞爺湖のほとりにある町・月浦が舞台。 東京から移住し、宿泊施設を兼ねたパンカフェを営む 水縞くんとりえさん夫妻のもとには、ちょっとユニークな常連客と 夏、秋、冬そ…

身につまされる映画『365日のシンプルライフ』前編

わが身のモノと付き合い方や考え方を見直すきっかけを与えてくれた、フィンランドからやって来たドキュメンタリー。 彼女にフラれて落ち込んだ26際青年ペトリは、幸せを見つけるために、ある実験を始めた。 そのルールは4つ。 ルール1.自分の持ちモノ全てを…

映画は友達、のようなものか

仲良くなれたらいいけど、ただ近づけばいい、ってわけでもないもの。それは映画、そして友達かもしれない。映画については、観てみたいもの、観たほうがよいものが実際に観ることが可能な数よりも圧倒的に多い。多少無理して行くと、毎日の生活にしわ寄せが…

失われた映画館をもとめて

京都みなみ会館では、開館50周年を記念して 現存するリーフレット(のコピー)が展示されていた。 圧巻の情報量! 同館で上映した数々の映画とともに、 関係するほかの劇場での上映情報もたくさん載っていた。 文字を目で追うと、今はもうなくなってしまった…

『男はつらいよ』映画第一作を観る

お正月に寅さんの映画を観る機会はなかった、昨年までは。 2014年のお正月に『男はつらいよ 夕焼け小焼け』を観て、 今年同じ劇場でまた年明けに寅さん映画を観る。今回はなんと映画第一作!中学生の時に家出した寅さん(車寅次郎)は、20年ぶりに生まれ故…

大阪の映画館「梅田ガーデンシネマ」「千里セルシーシアター」が閉館

今週のお題「2014年のお別れ」〈2014年をふりかえる 3〉 今年、大阪で映画館が2館閉館した。 新梅田シティの「梅田ガーデンシネマ」は、2月末で16年の歴史に幕を閉じた。 超メジャーな作品とは距離を置き、海外および日本の誠実に作られた名作を上映し続けて…

映画『ショート・ターム』

冒頭とラストに同じような、ちょっと風変わりな場面が出てくる。 初めは「なんだ、これ!?」と驚いたものの、 1時間半ほどこの作品と付き合ううちに最後のシーンは「なるほど、そういうことね」と納得。無茶をしても追いかけてくれる人のいる有り難さを思っ…