映画『365日のシンプルライフ』
フィンランド人の青年ペトリが
幸せを見つけるために、ある実験を始めた。
ルールは4つ。
ルール1.自分の持ちモノ全てを倉庫に預ける
ルール2.1日に1個だけ倉庫から持って来る
ルール3.1年間、続ける
ルール4.1年間、何も買わない
モノをすべて預けた空っぽな部屋での暮らしは
家族や友人に驚かれたり、あきれられたりするけど、
そんななかで印象的なのが、彼のおばあちゃんの言葉である。
「結局モノは全部残していくことになる」。
戦争直後の物資の少ない時期を知るおばあちゃんは、
モノがない時も豊富にある現在も知っていて、
その体験を通して至った境地は潔い。
「本当に必要なものは自分で決めないとね。
節度を身につける方法はそれしかないわ」と、きっぱり語る。かっこいい。
ちなみに主婦として1個だけ持ち物を選ぶとすると、
「冷蔵庫」と、おばあちゃんは即答した。
仕事をして、新しい恋も見つけたペトリは実験を続けるうちに
「持っているモノの多さで、幸せは計れない。
人生はモノでできていない」と思い至る。
翻って、京都のとあるお寺に掛けられていた言葉を反すうする。
「美しい部屋は
あなた自身も整える」
逆もまたしかり、と反省するばかり。
2015年1月、シネ・ヌーヴォXでの再々上映でようやく鑑賞。