なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

卒業のころ

年度末で一つ卒業を迎えた。 思いがけず花束をいただいた。 望む望まないによらず、状況はつねに変わっていく。 きょう午餐をともにした人々と、 同じようにテーブルを囲むことはもうないだろう。 「一期一会」という言葉は、茶の湯の会は一生に一度のもの…

お茶のお稽古も新学期

お茶の先生と話しているときに、先生もまたお茶を習っているのだと教えてもらった。 月に一回、宗匠の会で研鑽を積んでいるのだそう。 教える側ではなく、自分で点前すると見えてくること、 学ぶことが大いにあるのだとも。 「お茶とはこういうもの」と定義…

「國府ノート2015」アイデアの足跡

乗り物をモチーフにした作品を発表した 現代美術家・國府理(こくふおさむ)の回顧展。 「プロペラ自転車」の作品が展示されたほか、 遺されたノートやメモが展示された。 その数ノート20冊、約900ページにおよぶ。 膨大なボリュームのノートの内容すべては…

少し先のお楽しみ

きょうは行きたいライブいくつかの発売日だった。 いつ以来かわからないくらい久しぶりに、プレイガイドに発売日当日に買いに行ってみた。 いつでも行ける、また次がある。 そう思っていたら、最後の機会を逃してしまったことも数回あるし。 午前10時過ぎに…

「千家歴代と樂歴代の茶道具ー利休のデザインと展開ー」

「千家歴代と樂歴代の茶道具ー利休のデザインと展開ー」 湯木美術館 千利休と長次郎が生み出し、樂家に400年以上受け継がれてきた茶碗。 千家と樂家それぞれの歴代の好みや作風に着目した展覧会。 とくに気になった作品数点をご紹介。 1.「三足蓋置」 今回…

茎茶

ある中華食堂で飲むお茶が好きで気になったので、何のお茶か聞いてみた。 すると烏龍茶の茎茶(くきちゃ)だと教えてくれた。 飲みやすいため選んでいるのだそう。 確かに、ペットボトルの烏龍茶のような渋みはない。 ごくごく飲めるので、いつも2〜3杯おか…

はじめてのクラシック

クラシックのコンサートに行く機会があった。 「ソナタって何?」というくらいの、まったくの初心者である。 辞書で調べると、ソナタは「独奏曲または室内楽曲の形式の一つ」とあった。 コンサートはピアノとヴァイオリン、二人だけの室内楽であった。 それ…

薄氷

寒さがぶり返し、雪の知らせもあった今日。早朝には氷が張ったところもあるかもしれない。 春に寒気が戻って薄く張った氷を「薄氷」というのだそう。 うすらい、うすごおり、と読むと季語集に教わった。 京都の鴨川沿いで枝垂れ柳を見つけた。 若い葉が強い…

2年ぶりにチャリティー茶会へ

朝日新聞チャリティーの「第六十一回 各流合同茶会」を訪れた。 煎茶および茶の湯の9流派が集まる大規模な茶会。 客は一席券または二席券を購入し、好きな流派のお茶とお菓子をいただける趣向で、 収益金が服しのために役立てられるのだそう。 会場は大阪美…

試験会場の風景

とある試験会場に入る機会があった。試験が始まる前に説明があって、その中でこんな話があった。「腕時計の中にはメール機能などをもつものが見受けられますので、腕から外し、机の上に置いてください」と。もうすぐ発売されるあのウォッチなどのことかな。…

菜の花のころ

一面に広がる菜の花畑を「おいしそう!」と家族全員で眺めたという、知り合いの話が好きだ。露地で咲いているのはまだお目にかかれていないけど、今年も食べられるほうの菜の花は店頭に並んでいる。「菜の花や月は東に日は西に」という与謝蕪村の名句は、京…

かわいらしくてしぶとい映画『少女は自転車にのって』

自転車に乗りたい!って思ったら、日本だとわりとすぐにかなえられる。 でもサウジアラビアではあり得ないこととされる。女の子にとっては。 慣習から男性と女性とではまったく扱いが異なる国、サウジアラビア。 学校は完全に男女別で、女性が車を運転するこ…

本の拾いもの

ためになるような書き込みやおもしろい落書きのある古本、しおりも含めてには相応の値をつける古書店があるらしい。先日、雑談中にそんな話を聞いた。同じころ、ビルの古紙置き場で見つけて拾った本がある。『季語集』。近くで句会が開かれているから、もと…

人も這い出てくるころ

昨日は夜になっても上着がいらないくらい暖かかった。 冬ごもりの虫が地中から這い出てくるとされる節気「啓蟄(けいちつ)」を過ぎ、 人もわんさか外に出てきているように感じた。 自転車でしばらく走っていると、 駅前や居酒屋の前には、ちょっとした人だ…

淡いインド映画『めぐり逢わせのお弁当』

歌や踊りがてんこ盛りでストーリーも単純明快! そんなインド映画への先入観を一新するような作品に出合った。 『めぐり逢わせのお弁当』。 夫のために作ったお弁当を、ひょんなことから まったく知らない男性が食べることになり、 お弁当を通じて顔を知らな…

大阪城梅林で梅見

大阪城公園の梅林へ、梅見に出かけた。 偶然ボランティアガイドの方が解説してくださったので、一部をご紹介。 「華農玉蝶(かのうぎょくちょう)」。 こちらの梅林を代表する品種の一つ。 花の中にもう一つ花が入っているように見える めずらしいもの。内…

杉本恭一「KS888KS」ツアー初日@大阪

ライブっていいな。 思いもかけない音楽に出会えることもあるんだな。 そう思わせてくれるライブだった。 杉本恭一さんの 「KS888KS」ツアー初日の大阪。 今回は、あらかじめリクエストを募り、 上位の曲を演奏するという趣旨だという。 東京、名古屋、大阪…

春の香り

急に日が長くなったと感じる春の日を「永日(えいじつ)」と表現すると、季語集に書いてあった。そんな日に、西に向けて自転車を走らせ、刻々と変わる夕焼けを眺めるのは飽きなかった。車道脇を走っているので目には入ってこないものの、何か所かでよい香り…

お茶のお稽古で学ぶ断片

お茶のお稽古ではお点前をして、「そこ違う」というところを先生が教えてくださる。といっても、すべての動きについて言うわけではない。何かポイントになるところを毎回教えてもらっている。お茶の楽しみを教えてくれた本『日に是好日 お茶が教えてくれた1…

お茶のお稽古

どんなに短い時間しかできなくても、 お茶のお稽古に行くと気分が新たになる。 まったく不真面目な生徒でさえも、 一連の点前の流れを進めていくうちに、 多少なりとも日常のざわつきから離れられる。 それは茶の湯の仕組みがしっかりしてあるからかもしれな…

芽吹きのころ

春になってからなお残る寒さを「春寒(はるさむ)」という。 そう季語集に教えてもらった。 きょうの天気はまさにそれにあたる。 寒くて風が強くて自転車に乗るのをあきらめた。 道を行くと、ケヤキが根に近いあたりからぐらぐらと しなうのが見てとれた。…

ほぼ10分間の息抜き

この間会った人に話したら、なぜか驚かれた。 何についてかというと、仕事の合間に時々歩きに行くということ。 日が暮れる前の午後、集中力が途切れたころに席を離れて外に出る。 特に行き先を考えずに気の向くまま、足の向くまま歩く。 風が強くて雲の動き…

遠い国とのメール

アメリカ東部に留学中の知り合いからメールが届いた。受信したのは、昼食後の午後1時30分ごろ。あちらでは昨日の3月第2日曜日からサマータイムが始まったそうで、時差は13時間。ということはアメリカでは日付が変わったころで、寝る前にメールチェックなど…

映画『ストックホルムでワルツを』のつづき

スウェーデンの国民的歌手モニカ・ゼタールンドが 田舎町の電話交換手から栄光をつかむまでを描いた映画『ストックホルムでワルツを』。 はじめの記事はこちら この映画を観ていて気分がいいのは、人がうらやむ輝かしい面だけでなく 転落や挫折、葛藤やどん…

美しくて俗っぽくぶっ飛んだ映画『太陽を盗んだ男』

観終わった後、頭がヒリヒリするような映画だった。「特集上映 銀幕にすべてを捧げた“男”の華が、映画の花道に咲き誇る『高倉健、菅原文太追悼上映』」、第4週に上映された『太陽を盗んだ男』。企画の意図をすっかり忘れるほど、グイグイつかまれる作品だっ…

啓蟄のころ

昨日の宵、東の空にのぼりはじめたのは 大きなおぼろ月だった。 おぼろ月の季語は春。 暦の上では春になってひと月ほど経った。 きょうは二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」。 春の気配に誘われて、地中で冬眠している虫や蛙、ヘビたちが 這い出してくるころ…

映画『ストックホルムでワルツを』夢のありよう

スウェーデンでは誰もが知っているという歌姫モニカ・ゼタールンドの、実話にもとづくサクセスストーリー。ストックホルムから遠く離れた田舎町・ハーグフォッシュで暮らすモニカは、シングルマザー。電話交換手の仕事をしながら、時折バスでストックホルム…

花粉に沈む

梅の花をはじめ、水仙や沈丁花(ジンチョウゲ)と次々に香りのよい花が咲き始めるころ。香りを楽しむ気持ちがへこんでしまいそうになるのは、きっと花粉のせい。朝のニュースで、遠くがかすむほど花粉の飛散量が多いと伝えていたけれど、きょうはひどかった…

苔の居場所

きょう雨が降る前に散歩しているときに、ふいうちで出合ったもの。 屋外で階段を上がっている途中に、二度見してしまった。 それは、直径2センチほどの小さな苔(コケ)。 見過ごしそうな小ささと、まん丸な球体に惹かれた。 人に踏まれないタイルの隙間に…

「チューリヒ美術館展 印象派からシュルレアリスムまで」を神戸市立博物館で鑑賞

神戸市立博物館の「チューリヒ美術館展」を訪れた。 モネ、ピカソ、セザンヌ、マティス、ジャコメッティ……、 近代美術史に名を残した画家たちの作品74点が集まる、 オールスターキャストのような展覧会だった。 美術の教科書に出てくるような、有名な画家の…