なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

映画館の記憶

ちょうど一年前の二月末に、梅田ガーデンシネマが閉館したことを思い出した。国内、海外のよい作品を、声高に宣伝するわけでもなく粛々と上映する姿勢が大好きだった。まさかなくなる日が来るなんて考えたこともなかったので、一昨年末に閉館の知らせが発表…

70年代の熱気が詰まった映画『県警対組織暴力』

自分の中に隠れていた荒くれ者の血が騒いだ、ような気がする。 「特集上映 銀幕にすべてを捧げた“男”の華が、映画の花道に咲き誇る 『高倉健、菅原文太追悼上映』」で取り上げられた映画『県警対組織暴力』。 「Don't think, Feel」とブルース・リーが語る…

もうすぐひな祭り

もう一週間後には、ひな祭りが終わっているなんて気がつかなかった。ひな祭りのお菓子が並んでいるなとデパ地下で何となく見ていたけれど。今週、お茶のお稽古に行ったときのこと。桃をかたどったお菓子や、ひなあられが出てきて、「あ、もうそんな時期なの…

街なかで春の息吹

昼間は上着なしでも過ごせた暖かい一日。 農業に携わる方からは、夏野菜の堆肥を準備しはじめたとの知らせが来た。 日差しに誘われて散歩してみた。 白い縁取りが入った紅椿、いまにも咲きそうにつぼみがふくらんだモクレン、 あまり目立たない場所にひっそ…

毎日淹れるお茶

ずいぶんさぼっていたところ、最近はほぼ毎日お茶を淹れている。 といっても、ふつうの日本茶、煎茶である。 ポットの湯を沸かし、急須に茶葉を入れ、湯を注ぐ。 しばらく待って茶碗に注ぎ入れる。 それだけの単純なことなのに、毎回味が変わる不思議。 湯の…

雨水のころ

暖かい日がやっと来たと思ったら、 次の日には極寒となり身が縮む。そんな思いをしているうちに、 暦の上では春の2つめの節気「雨水(うすい)」が過ぎていた。 少しずつ寒さがゆるむころ。 雪や氷が溶け始め、水が温み、 土が雨を吸って潤う時季。 昨日、…

松竹座で二月大歌舞伎を観るの記

『中村翫雀改め 四代目中村鴈治郎襲名披露二月大歌舞伎』昼の部を、松竹座で観る機会があった。初心者であっても舞台の華やかさはしっかり楽しめた。イヤホンガイドを借りると情景を説明してくれることもあり、特にわかりやすかったのは、踊りである。かつ…

初めて鑑賞した文太作品『わたしのグランパ』

こんなおじいちゃんがいたら ちょっと恥ずかしいけれど大好きになってしまうだろう。 『わたしのグランパ』。 おじいちゃんとは、菅原文太演じる五代謙三。 通称ゴダケンは、刑務所から出所したばかり。仁義を重んじるゆえある事件を起こし、13年の刑期に服…

初めての「流し点て」のお稽古

茶の湯の点前(てまえ)というのは、毎回同じようでいてちょっとずつ変わる。 棚の有無や板を敷いてあるかどうか、夏の点前か冬の点前か…。 大まかな流れは同じでも若干違うところがあり、いつまで経っても覚えられない。 あるいは、それが飽きずに続けられ…

旧正月のまちのスケッチ

今朝、通勤途中に地下鉄の乗り換えを聞かれて、 一本やり過ごしてしまった。 きょうは旧暦で一月一日の旧正月。 地下鉄で移動していると、いつもにも増して外国人の人たちが 地図やスマートフォン片手に乗っている光景を見かけた。 乗り換えを聞かれたのは、…

そば湯がうれしい季節

今夜集まりで、そばを食べる機会があった。そばはもちろん、そば湯がおいしい!そば湯だけで飲んだり、そば焼酎と合わせたり、冷たいおそばを食べた後、熱いそば湯を加えて冷たいのと熱いのを二度味わったり。毎朝ご主人が打っているという、そば屋さん。全…

追悼上映で初めて観る『鉄道員(ぽっぽや)』

「 特集上映 銀幕にすべてを捧げた“男”の華が、映画の花道に咲き誇る『高倉健、菅原文太追悼上映』」を、塚口サンサンで開催中。二人の主演作を一週間二本ずつ、四週間にわたり上映するという、すばらしい企画である。二週目にしてやっと初参加。一本目は、…

自転車 きょうのヒヤリハット

気が焦っているときほど失敗してしまう。今夜もそうだった。きょうのヒヤリハット = もう少しで事故を起こしそうになった事例を、ご紹介。慌てながら自転車を走らせていると、急に右足のペダルを踏み込めなくなった。あれれ? と足元を見てみると、右足の…

歌舞伎の幕見席

先だって大阪・松竹座を訪れた際にもらったチラシに 幕見席(まくみせき)のことが書いてあった。 通常、昼の部、夜の部ともに3作品ほどが上演されるところ、 幕見席であれば、一幕ずつバラ売りしてくれるという システムだそう。 料金は一幕2000円から2500…

街なかに来る鳥

南天だったか千両だったかの赤い実が家の裏に植わっているせいか、 今年に入ってから鳥の鳴き声を耳にし、その姿を目にするようになった。 街なかで見かける鳥はハトやスズメくらいかと思っていたので、 少し意外だった。 といっても野鳥についての知識はな…

春の到来を前に

午後には一時、積もりそうな雪が降った今日。雪はすぐにやんだが、その後は空気が入れ替わり、コートの袖口からも冷たい風が入ってきて困った。寒い日と暖かい日が交互に続くころ、春の到来を前にひと足早く新たな門出を迎えるというお知らせをいくつか聞い…

無名の英雄を描いた映画『ジミー、野を駆ける伝説』

ケン・ローチ監督の映画にはめずらしいほど、後味さわやかな作品だった。撮影時、御歳77歳だったというケン・ローチは、社会から見過ごされたり抹殺されたりする人々の姿をすくい取り、生き生きと描くイングランド出身の映画監督。 2014年に製作されたのが、…

松竹座で観劇そしてお昼ごはん

松竹座を訪れる機会があった。 目的は歌舞伎見物。初心者としては演目のことを調べるべきかもしれないけれど、 まず気になるのは、幕間の休憩時間30分のうちに食べるお昼ごはんのこと。 昼の部は午前11時から午後3時30分までのプログラムなので、 どうしたっ…

ボンボンショコラを買う

特にこだわりがないので、スーパーやコンビニで手に入る チョコレートで満足している。 先日思いがけない頂き物があり、心ばかりのお礼をと、 最近見つけた素敵なフランス菓子店でチョコ、 いやフランス風にいうとショコラ、を購入することにした。 ガラス…

春は名のみ

信号待ちしている間もじっとしていられなくて、体を左右に揺らしたりして気を紛らせてしまった。「春は名のみ」とは、こんな時期をいうのだろうか。 昼食どき、空は晴れているのに雪がちらつき、 吹きすさぶ寒風に身が凍えた。 外から訪ねてきた人からもらっ…

梅田の地下通路

梅田スカイビルで映画を見た帰り、 地下通路を通って一瞬自転車を停めて マフラーをつけていたら、アジア系の人から道を聞かれた。 「スカイビルはどこですか?」と。 地下通路を出たらすぐです、と答える。 そういえば地下通路もスカイビル周辺でも外国人…

立春のころのスケッチ

凍てつく小学校の校庭で、校長先生が「三寒四温」の話をしていたのは、確か立春を過ぎたこの時期の朝礼だったと記憶している。三日間寒い日が続いた後、四日間は暖かくなる。それを繰り返すうちに春となる、という意味だったか。一日のうちでも昼間の日差し…

落とし物、無事に帰る

大事な預かりものを落としてしまった。 自分のうっかり具合には慣れているとはいえ、これにはまいった。 マフラーや手袋など落とすのはよくあるけれど、 人からの預かりものまでとは。 京都の碁盤の目のエリアを歩いているうちに、まったく気がつかず。 短い…

茶の湯のテンプレート

久しぶりにあった人とあれこれ話している時に、茶の湯の話題となった。すると「お茶の世界にもテンプレートがあるんですね」と言われた。テンプレートとは辞書を調べると、「ひな型、見本となる型、様式」とある。なるほど、そうかもしれない。たとえば、茶…

福のおすそ分け

「福は内」 と、豆まきも恵方巻きの丸かぶりもしないうちに節分が過ぎたけれど、巻きずしをいただいた。お手製の2種!巻きずしを一から作るのは道のりが長い。ご飯を炊いて寿司酢と合わせる。かんぴょうや高野豆腐、干し椎茸、にんじんなどを煮含める。卵を…

春立つ前の日

明日が立春。きょうは節分で、暦の上ではこの冬最後の日を迎えた。 日没は5時29分。 夕方5時30分ごろ外に出てみると、まだほんのりと明るい。 年末ごろは5時には真っ暗だったから、気がつかないうちに 日が長くなっている。 昔のようにこの節気のころには何…

黒澤明監督の映画『生きる』

ある用件で役所に問い合わせたひとが、たらい回しにされたという話を最近聞いた。 それで思い出したのが黒澤明監督作品の『生きる』。 1952年(昭和27)に公開、今から63年ほど前に製作された映画だ。 この映画の味わいどころは多々あるけれど、ストーリーは…

一杯のお茶

二、三日ぶりに湯を沸かし、茶を淹れた。週末、電池切状態になっていたのが休養すると茶をほしいと思う気力が湧いてきたようである。ティーバッグのハーブティーでもポットでしっかり蒸らせば十分おいしい。指先まで暖まる。こわばった心身もほどける。気力…