落とし物、無事に帰る
大事な預かりものを落としてしまった。
自分のうっかり具合には慣れているとはいえ、これにはまいった。
マフラーや手袋など落とすのはよくあるけれど、
人からの預かりものまでとは。
京都の碁盤の目のエリアを歩いているうちに、まったく気がつかず。
短い時間立ち寄ったデパートの方が届けてくださったそう。
名前さえ記入していなかったが、とあるカードの番号をたどって
ようやく連絡が来た。家のどこかに置いているだろうと、
落としていることさえ気がつかなかったので始末が悪い。
落とし物を取りに行くためだけに京都へ行き、
そこに至るまで何人ものお手を煩わせた。
どれだけボーッとしているのだろう。
これからはちゃんとしよう、という決意さえ心もとないが、
せめて落し物を拾ったら必ずとどけでようと思った。
そんな立春のころ。