なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

2014-01-01から1年間の記事一覧

『そして父になる』ティーチイン 2014年1月9日@梅田ガーデンシネマ

窓際で部屋の片づけをしているとポカポカ日差しが届き、夕方からの雨で一気に冷えた大晦日。今年1月9日に梅田ガーデンシネマで行われた『そして父になる』是枝裕和監督のティーチインに参加した時のメモが出てきたので覚え書きを記録しておく。 ティーチイ…

魅惑の空間「味園ユニバース」

今年初めて訪れた場所は、昭和の香りがしつつ、 未来を感じさせる強烈な個性を放っていた。 大阪・千日前にあるレジャービル、味園ビル。 および地下にある元はキャバレーだった空間、ユニバースだ。 9月に開かれた細野晴臣ライブ「トロピカルビルダンディー…

ほうじ茶のおいしいお店が気になる

食事に添えて出される、ほうじ茶がおいしいお店は料理もおいしい。そんな仮説を最近立てている。今のところ結構な確率で当たっている気がする。近ごろ訪れて確かめたサンプルは、たとえば昭和の風情が漂う洋食店、土曜日のお昼だけリーズナブルなメニューを…

大阪の映画館「梅田ガーデンシネマ」「千里セルシーシアター」が閉館

今週のお題「2014年のお別れ」〈2014年をふりかえる 3〉 今年、大阪で映画館が2館閉館した。 新梅田シティの「梅田ガーデンシネマ」は、2月末で16年の歴史に幕を閉じた。 超メジャーな作品とは距離を置き、海外および日本の誠実に作られた名作を上映し続けて…

今年も「無事」お茶のお稽古が終了

今年最後のお茶のお稽古に参加した。 床の間には「無事」の短冊が掛けられていた。 「お茶の世界では、一年の終わりに感謝を込めて 『無事』の文字を掛けます」と先生。 行書体というのか、それとはすぐに読めないくらい 達筆な文字はアートを鑑賞するような…

仕事納めのころのスケッチ

クリスマスあけて26日。まったく年末感がないものの、粛々と物事は進んでいく。職場では、あいさつ回りに来てくださった方々に年末のあいさつをし、メールでのやり取りが「よいお年を」で結ばれる。テレビやラジオでは「今年最後の〜」のフレーズがしょっ中…

クリスマスのあと

ピザの配達や居酒屋の店先、10人ほどが扮装してバイクでツーリングしている光景など、あちこちでサンタクロース風の人を見かけたここ二日間。デパートでは全館クリスマスのディスプレイだったのが翌日訪れると、あら不思議。クリスマスなんてかけらも残さず…

革カバー手帳を一年使った経年変化

来年の手帳を買ってまず取りかかるのは、一月から順に家族の誕生日を記入することだ。その作業をひと通り終えてから予定を書きはじめる。 来年も、今年に引き続き同じ手帳カバーで迎える。昨年末、新調したもので、牛革の手帳。 イタリアで革製品を手がける…

冬至のころ

22日は 冬至と新月が19年ぶりに重なった、「朔旦冬至(さくたんとうじ)」だった。太陽の中心が冬至点を通過し、北半球では一年中で昼がいちばん短く、夜がいちばん長くなるころ。先日、知り合いと話している時、「冬になると睡眠時間が長くなる気がする」と…

映画『ショート・ターム』

冒頭とラストに同じような、ちょっと風変わりな場面が出てくる。 初めは「なんだ、これ!?」と驚いたものの、 1時間半ほどこの作品と付き合ううちに最後のシーンは「なるほど、そういうことね」と納得。無茶をしても追いかけてくれる人のいる有り難さを思っ…

チェ・ゲバラの若き日を綴った映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』

チェ・ゲバラがどんな功績をあげた人物なのか、 あるいはキューバ革命がどういったものなのか、 恥ずかしながら不勉強ゆえよくわかっていない。 それでもこの作品を観ると、後に「チェ・ゲバラ」と呼ばれ、 キューバ革命の指導者となったエルネスト・ラファ…

映画と映画館と映画館のある街を楽しむ企画「インド映画スタンプラリー」

今年11月に阪神間の映画館およびサークル3館で催された「インド映画スタンプラリー」。神戸映画サークル、塚口サンサン劇場、元町映画館でインド映画を観たら、もれなく3館の招待券をプレゼントという、100%キャッシュバック!? な太っ腹な企画である。どう…

60年以上前に観た映画について話を聞く

大阪のシネ・ヌーヴォの特集上映「『七人の侍』誕生六十周年記念 黒澤明映画祭」は、 ほとんどの作品が35㎜フィルムで上映された。 この特集で最初に観た『生きる』について、80歳代の女性と話す機会があった。 最近、映画館で観たことを伝えると「いい映画…

寒風吹きすさぶまちのスケッチ

全国で大荒れの天候となったきょう。昼間歩いていても風、寒さともに強烈で帽子とマフラーが手放せなかった。格別寒い日に見かけた風景をご紹介。・カレンダーをくるっと巻いた束を持っている人を電車で何人か見かけた。もう挨拶回りを兼ねてカレンダーを配…

『薔薇とサムライ』でゲキ×シネ初参戦

《劇団☆新感線》の演劇を映画館で映画作品として鑑賞する=劇×シネマの「ゲキ×シネ」。役者の動きや舞台装置をカメラで追い、いちばんいい角度でスクリーンに映し出される。2011年に上演された『薔薇とサムライ』で、ゲキ×シネを初めて鑑賞した。かっこいい…

チャの木でも茶の木でなくても

一日に何度かお茶の時間をもっている。 朝の支度をしながら、水筒に入れて持って行く用と兼ねてお茶を淹れ、 慌ただしく立ち飲みながらもまず一杯。 午前中と午後に職場でほぼ一回ずつ、 帰宅後、夜ひと息つきたい時に。 日本茶、紅茶、中国茶、コーヒー。 …

本家のおだんごを買いに行く

お土産におだんごを買った。確かこのあたりかなと思っていた店先に、おだんごが並んでいた。入りかけて一瞬、うん? と気になった。前よりも値段が下がってない?商品名が若干違う?小分けパックも売ってたっけ?と。店名を見ると思っていた店と違った。後…

大阪の紅葉 2014年11月の記録

名所といわれるスポットに訪れないまま、 今年も紅葉の時期が終わってしまった。人が賑わうところでなくても、紅葉を楽しめる場所は探せば見つかる。たとえば、大阪市北区と都島区を結ぶ「桜宮橋(さくらのみやばし)」あたり。通称・銀橋。京都市役所など…

見納めの紅葉

きょう歩いていて二回マフラーを落とした。一度目は「あれ? マフラーがない」と気づいて200メートルほど引き返して見つけた。二度目は駅前で。自転車のおじさんが「落としたよ」と声をかけてくれて、気がついた。ぼーっとしすぎ。そんなこんなでリフレッシ…

小春日和にソラメシ

二十四節気では「大雪(たいせつ)」のころ。山が雪に覆われ寒さが厳しくなるとされる時期。大雪にあたる7日と翌日の8日の夜は、自転車に乗っていると凍えるほど寒かった。きょう10日は日差しが明るくお出かけ日和。久しぶりに靭(うつぼ)公園へ、ソラメシ…

ボリウッドフェスティバル2014で一年ぶりの『きっと、うまくいく』

12月9日、シネマート心斎橋で一夜だけ上映された『きっと、うまくいく』。 インド映画に親しむきっかけとなった作品なので、久々の上映を当日の朝から楽しみにしていた。やっぱりこの映画、好きだなあ。三たび見ても飽きない。その都度、発見がある。冒頭か…

大阪で10年ぶりの野外公演、維新派「透視図」

2014年秋、10年ぶりに大阪で上演された維新派の公演「透視図」。 維新派は、大阪を拠点にイギリスやイタリア、オーストラリアや ブラジルといった海外でも公演している劇団である。 「喋らない台詞、歌わない音楽、踊らない踊り=ジャンジャンオペラ」を コ…

藤田美術館「開館60周年特別展」

約30点の展示作品のうち国宝6点、重要文化財10点というオールスターキャストのような展覧会だった。藤田美術館は、明治に活躍した実業家 藤田傳三郎とその嗣子らが収集した東洋古美術品を春と秋の特別展で公開している。日本で最初期に作られたという蔵が展…

絵本『ぐりとぐら』は203刷

ちいさい女の子へのプレゼントに『ぐりとぐら』を買った。 青と赤の帽子と服がトレードマークの野ねずみが登場する、あの絵本である。 ふと奥付を見る。 1963年に出版され、2014年10月でなんと203刷。 51年の長い間、ずーっと読み継がれてきたことがわかる。…

ポップコーンを買うと映画が観られる太っ腹企画

少し遅れて映画館の扉を開くと、ポップコーンの香りに驚いた。塚口サンサン劇場で上映された「ラブ・アクチュアリー」。一週間限定の上映だったが、通常とはシステムが異なっていた。限定フレーバーのポップコーンを窓口で800円で買うと映画「ラブ・アクチ…

名残の黄葉

きょうの冷たい雨が降る2〜3日前、高麗橋を渡る機会があった。 橋の西端にそびえるイチョウを見たかったので。 橋を渡るたびに大きなイチョウを目にし、 冬の枯れ枝から新緑、夏の青々と茂る葉、 そして美しい黄葉までを眺める。 紅葉だけでなく、黄色い葉…

シネ・ヌーヴォで開かれた野上照代さんトークショー その2

『七人の侍』誕生六十周年記念 黒澤明映画祭の一環として 11月22日(土)に開かれた野上照代さんのトークショー。 野上さんは元黒澤プロダクションのマネージャーでスクリプター。 ロシアで撮影した『デルス・ウザーラ』に参加した 日本人スタッフ5人のうち…

思い出そうとすることが大事、らしい

「物忘れした時は、すぐに検索したりせずに、思い出そうとすることが大事。地名や人名など思い出そうとあれこれ思い巡らす時に、脳のシナプスがつながる」。以前、アメリカの抗加齢学会にも出席する婦人科の先生にそんなようなことを聞いたことがある。シナ…

師走の風強いころ

きょうは風が強かった。乾いた枯葉がカラカラと音を立てて舞い、自転車がなぎ倒されるほど強い西風が吹く中、思い切りペダルを踏んでもなかなか進まない。ようやっと用事を済ませて、風向きが変わらないうちにUターンする。今度は、すいすい。さっきまでの…

能舞台の空間

能舞台には幕がなかった。 何もないところに演者や囃子方、地謡が入り、演目が行われる。 舞台を見て左側に伸びる廊下「橋掛り」を演者が通る入場や退場も見せ場となる。 これは何か似ていると考えたら、茶の湯だった。 道具を一つあるいは二つずつ運び入れ…