なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

魅惑の空間「味園ユニバース」

今年初めて訪れた場所は、昭和の香りがしつつ、

未来を感じさせる強烈な個性を放っていた。

 

大阪・千日前にあるレジャービル味園ビル

および地下にある元はキャバレーだった空間、ユニバースだ。

9月に開かれた細野晴臣ライブ「トロピカルビルダンディー」を機に初訪問となった。

 

地上5階地下1階の建物、味園ビルは、1955(昭和30)年に竣工。

オーナーの志井銀次郎自ら建築を構想し、

社内に工作部を設けて実際に直営で建物。作ったという。

なんて前衛的!

 

キャバレー ユニバースは、創業当時は地上3階吹き抜けの大変大きな空間で、

アメリカの雑誌『LIFE』の1962(昭和37)年2月号では

「日本最大のクラブ」と紹介されたという。

 

その後、80年代にキャバレーは地下へ移り、

2011年3月に閉店。

今では貸しイベントホールとして活用されている。

 

懐かしいにおいがするユニバースの空間は、ちょっとほかでは味わえない個性が満載!

 

天井には惑星のような丸くて大きな照明がぶら下がり、

そのまわりに小さな照明が点在。

小さな照明が灯ると、赤や青、緑など色とりどりで、よりムーディな世界となる。

 

ステージは鮮やかなネオンがつき、

場内いたるところに装飾が施され、

目が釘付けになる。

 

これらすべてが直営でスタッフが手がけたものと知り、さらに驚く。

全部が長い年月を経たものであるけれど、

どこか未来っぽい印象もある。

 

大阪万博の頃のコスチュームや建物のデザインが、

今見ても輝く未来へのイメージを伝えるのと同じように。

 

惑星か衛星か、あるいは謎の生き物みたいな有機的なかたちのオブジェが彩る空間は、

なるほど宇宙っぽい。

ユニバースという店名に納得。

 

階段を上がり一歩外へ出ると、ミナミの喧騒。2014年現在に戻る。

時間と空間が異なる次元に行ってきたような、不思議な感覚を覚えた。

 

 

f:id:chakurai:20141230222544j:plain

 

f:id:chakurai:20141230222611j:plain

 

 

f:id:chakurai:20141230222648j:plain

 

 

f:id:chakurai:20141230222714j:plain

 

 

f:id:chakurai:20141230222742j:plain

 

味園の詳細については、BMC(ビルマニアカフェ)が企画・発行した冊子

『月刊ビル特別号 味園愛』を参考にした。

 

写真がたくさん載り、1964年から働くスタッフのインタビューも掲載され、読みごたえがある。

手元に置いておきたくなる、渾身の愛が詰まった一冊。

 

 

f:id:chakurai:20141230222854j:plain

 

 

f:id:chakurai:20141230222922j:plain

 

 

f:id:chakurai:20141230222945j:plain