なずなノート

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『そして父になる』ティーチイン 2014年1月9日@梅田ガーデンシネマ

  窓際で部屋の片づけをしているとポカポカ日差しが届き、

夕方からの雨で一気に冷えた大晦日。


今年1月9日に梅田ガーデンシネマで行われた

『そして父になる』是枝裕和監督のティーチインに参加した時のメモが出てきたので覚え書きを記録しておく。

 ティーチインのもともとの意味は「学内討論集会」で、監督を囲んで話を聞いたり質問する、といったところか。


『そして父になる』は、6年間育てた息子が、

実は取り違えられた他人の子どもだと知らされた二組の親子の

心の動きを細やかに描いた作品。


何度も登場する「卵(たまご)」についての話があった。


主人公のエリートサラリーマン 野々宮良多は卵が好きで、

うどんに卵を入れたり、オムライスも出てきたかな? とにかく卵に目がない。

彼のお兄さんも確か「卵って、なんでこんなにうまいんだろう」と話す。

さらに良多の父の再婚相手、義母ののぶ子も卵好き。

「彼女が卵好きだというのが、いちばんやりたかったこと」と是枝監督。


血のつながりによる遺伝などではなく、

一緒に過ごした時間がお互いに影響を与えている。

そんなメッセージかと受け取った。


時代性を考えるか?」との観客からの問いには

「今の時代に向かってどんな作品を投げかけるかは、制作時には考えない。

企画から公開まで2年ほどは時間がかかるので、

もし時代性がずれた時にはみっともない。


自分の足元をどう掘れるか。

ちゃんと生きていれば、そのほうが時代に届くものになるのではないかと思います」。


ガーデンシネマは1999年公開の『ワンダフルライフ』から是枝作品を上映してきた縁の深い劇場でもある。



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