思い出そうとすることが大事、らしい

 「物忘れした時は、すぐに検索したりせずに、思い出そうとすることが大事。

地名や人名など思い出そうとあれこれ思い巡らす時に、

脳のシナプスがつながる」。

以前、アメリカの抗加齢学会にも出席する婦人科の先生に

そんなようなことを聞いたことがある。

シナプスがつながったかはわからないけれど、

久しぶりに思い出そうと頭を巡らしたことがあった。

カニの話題になった時のこと。

「そういえば、秋に金沢に行った時、あの商店街で11月◎日にカニ解禁」

と書いてあったなと思った。

あれ、商店街の名前って何だったっけ?

あのにぎやかな、歩いて見て回るだけで楽しい商店街なのに。

すごく知っているはずなのに思い出せないのがもどかしい。

まず、商店街の名前をいろいろ思い出してみる。

奈良は「もちいどの商店街」だったか、明石は「魚の棚」、京都は「錦市場」。

大阪にあるのは、天神橋筋商店街とか。

次に金沢をキーワードに思いつくままに挙げてみた。

金沢駅前にあるのはフォーラス、香林坊、21世紀美術館があるのは「広坂」の交差点あたり。

あとは、ひがし茶屋街、にし茶屋街、お土産を買う百番街、シネモンドなどなど。

そうしているうちに「◎◎町（ちょう）」という輪郭が浮かんで

しばらくしてからひらめいた。

「近江町市場」だ！

かかった時間は、ほかのこともしながらの約2時間。

商店街、って名前でもなかった。

ようやくスッキリ。

で、金沢は昔でいうと加賀なのに、なぜ「近江」なんだろう？