なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

2014-01-01から1年間の記事一覧

二回目の能楽堂へ

能は室町時代の文化の「圧縮ファイル」のようなものなのかなと、 能の舞台を観る機会があったときに思った。 能は確か2回目。まったくのシロウトである。 今回の演目は「景清(かげきよ)」。 世阿弥の作。 あらかじめ解説をいただけたのでたすかった。 舞台…

シネ・ヌーヴォで開かれた野上照代さんトークショー その1

御年87歳! 姿勢がよくてチャーミングでかっこいい女性のお話を聞く機会をいただいた。 シネ・ヌーヴォで2014年11月22日、「『七人の侍』誕生60周年 黒澤明映画祭」の メイン作品『七人の侍』上映後に開かれた、野上照代さんのトークショー。 野上さんは元黒…

熱かった「耐久マサラ上映 塚口杯」

紙吹雪を飛ばしたり、クラッカーを鳴らしたり、 歌ったり踊ったりと、何でもありな感じでインド映画を楽しむ「マサラ上映」。 そのエキスパートの皆さんと同じ会場で映画を観ていると、 あることが思い浮かんだ。歌舞伎の「大向こう」である。 役者の見せ場…

お茶の正月、炉の季節が到来

今週、お茶のお稽古に行ったら、炉に変わっていた。 夏の間は畳の上に茶釜と小さな火鉢のような「風炉(ふろ)」で湯を沸かすのが 冬になると、畳の一部を四角く切り、床下にしつらえた 小さな囲炉裏のような「炉」に変わる。 大人になったら進級することも…

立冬のスケッチ七景

きょうは二十四節気の「立冬」。 暦のうえでは冬になった。冬立つ日。木枯らしが吹き始めるころ。 身のまわりで拾った「立冬」 のスケッチ七景は、こんな感じである。・今年のカレンダーがあと2枚だと気がつく・野菜の市で、イチジクが今週で終わり、来週か…

171年ぶりのミラクルムーン

日が暮れてまもない午後6時前、用事で外に出たらひときわ月がまぶしかった。 どこかで読んだ、そう今夜は「ミラクルムーン」だ! 「後(のち)の十三夜」ともいわれるそう。 辞書を繙(ひもと)くと、もとは陰暦9月13日の夜のことで、 旧暦8月の十五夜に次い…

街なかの息継ぎスポット 藤田邸跡公園

こんな立派な門をくぐると、すてきな公園が広がっている。 街なかで見つけたオアシス。深呼吸して息継ぎができる場所。 思いどおりにいかないことばっかりで、やさぐれぎみの午前に、 サボりに、いや、ひとときの憩いを求めて訪れた。 藤田邸跡公園。 大阪…

「家元に伝わる茶の湯の道具(二)表千家歴代ゆかりの棚と水指」

表千家北山会館で毎年秋に開かれる特別展。 今年のお題は「家元に伝わる茶の湯の道具(二)表千家歴代ゆかりの棚と水指」。 棚のしつらえによって点前が変わることはわかっても それぞれの棚をどう使ったらよいのかは恥ずかしながら、さっぱり。 茶の湯を学…

霜降のころ、風炉の季節の終わり

暦の上では晩秋。露も霜となって降りるころ。 二十四節気の「霜降(そうこう)」は、今年は10月23日だった。 北の方から順に霜が降りはじめ、 秋雨が降り、秋が深まるころ。 秋の最後の節気。 昨夜の雷雨はそんな節気を思い出せないほど 激しくこわいものだ…

映画「大いなる沈黙へ」すべてを捧げる安心感

映画「大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院」の終わりに、 盲目の老僧が語るシーンがある。 唯一のインタビューのようだが、フィリップ・グレーニング監督のインタビュー記事には、 「あの修道士は視力を失っただけでなく、耳もほとんど聞こえな…

映画「大いなる沈黙へ」思い出すことが大いなる収穫

夜11:30。時計を見て、ふと思う。真夜中の祈りが始まるころだろうかと。 あるいは日曜日の昼下がり。楽しく談笑しながら散歩しているのかなと想像する。 本当は7〜8時間の時差があるから同じ時間を体感できるわけではない。 時差や距離といった物理的な隔…

甘酒

スーパーでいつもの甘酒を買おうとしたら、いつもの棚になかった。 りんごジュースやみかんジュースの間にひっそりと一列だけ並んでいたところから週に一度の割合で買っていたのに。 自分だけの貢献だけでは売り上がらないかと思いつつ、 「もしかしたら」…

440円の贅沢、銭湯

心身ともに調子がすぐれない時、ひきこもりな一日を過ごした時。 どよーんとした空気をリセットしに最近訪れるのは、銭湯だ。入湯料は440円。 毎日通うことはかなわないが、たまにならね。 気に入っている銭湯には小さいながらも露天風呂やジェットバスもあ…

台風一過、秋冷のころ

大きな台風が通り過ぎた昨日、夜には急に冷んやりしてきて、縮こまりながらの自転車での帰路だった。そんななかキンモクセイの香りに出合った。夜は目で景色を追うことが少ないせいか、キンモクセイの香りが不意打ちにやってくる感じ。姿は見えないけれど、…

町なかの台風スケッチ

台風19号の影響で映画館や美術館、 図書館、デパートなども早々に閉められた今日。 ただいま大雨・洪水・暴風・波浪警報が発令中。 まだ早い午後、食料の買い出しに出かけたところ、大阪湾に注ぐ近所の川は、 見たことのない速いスピードでさざ波を立てて流…

綱渡りの乗り継ぎファインプレー〜サンダーバードから新幹線博多行き最終へ〜

先日、金沢から大阪行きの特急サンダーバードに乗った時のこと。 その日は湖西線の近江舞子駅あたりで風が強く、特急は運行できなくなったそうで、 急きょ「米原経由に変更し、遠回りのため遅れが見込まれます」 とアナウンスがあった。 そのため大阪に到着…

茶の湯の甘くないしょっぱい一面

祝日に、長めの時間をとったお茶のお稽古があった。 どういうわけか一つの茶碗を使って四人の客に薄茶をふるまう、 というお役目が与えられた。 お客となってくださるのは、みなさん目上の方々。 茶を点てて飲んでいただき、茶碗を返してもらって ふき清め、…

寒露のころ

きょうは二十四節気の「寒露(かんろ)」。 北国では初氷がみられるようになり、 夜が長く、朝晩の冷え込みがはっきりと感じられるころ。 確かに、晴れた昼間は汗ばむ陽気で、日が陰るとひんやり。 うっかり羽織るものを忘れると風邪を引いてしまいそうな気…

450年前に作られた茶釜の音にときめく「ニュイ・ノワール 夜咄」大西清右衛門美術館

織田信長に仕えたとされる釜師が450年ほど前に手がけた 茶釜の音を、いま聴ける不思議さよ。 「ニュイ・ブランシュ(白夜祭)KYOTO2014」の会場の一つ、 大西清右衛門美術館でのこと。 「ニュイ・ブランシュ(白夜祭)」は、パリで毎秋開かれる 一夜だけの…

「かもめ食堂」梅田ガーデンシネマのメモリアル上映で再会

まちがいなく梅田ガーデンシネマで見たはずの「かもめ食堂」。 その記憶はおぼろげで、揚げたてのトンカツを「ザクッ、ザクッ」と切っている 音とビジュアルだけが確かなもの、というくらいに 食い意地が張っているだけのいいかげんな観客であった。 あらた…

千里セルシーシアタ—の最終日に「最強のふたり」

2014年8月31日で惜しくも閉館した千里セルシーシアター。お別れに選んだのは最終日の「最強のふたり」。フランスのカラッとしたエスプリの効いた作品を満席の劇場で時折、笑い声を聞きながら見られたのは、貴重な映画体験となった。お金と教養をあふれるほ…

細野晴臣コンサート in 味園ユニバース「トロピカルビルダンディー」

ああ、しあわせな時間だった。2014年9月5日、夏の終わりに細野晴臣さんのライブを体験できた。会場は、大阪なんばにある元キャバレーの味園ユニバース。午後8時スタートと大人な時間。広大な地下のキャバレーにはパイプ椅子が整然と並ぶ。食べ物の出店がい…

茶の湯の音

久しぶりにお茶のお稽古に行くと、あることに気がついた。 それは、お稽古のなかで生まれる音。 静かな茶室にあって、耳をすませば音はあふれている。 茶碗を右手で持つか左手か、などと細かなプロセスに、ついとらわれてしまいがちだけれど、 目だけではな…

「杉本恭一 アコギな夜2014」@大阪シャングリラ

今年の「アコギな夜」の恭一さんは、テキーラを飲みながら上機嫌だった。 饒舌。初めから通しで演奏するベースの有江さんとのコンビネーションも絶好調。 酔いも手伝ってか話がとびとびになっていると、有江さんから笑いながら 「思いついたことすぐ言うの…

重陽のころ

きょう九月九日は「重陽(ちょうよう)」の節句。 菊の節句であり、陰陽思想で奇数は「陽数」とされることから、 「九」はいちばん大きな陽数となるのでおめでたいともされる。 一月七日、三月三日、五月五日、七月七日につづく五節句の最後でもある。 平安…

千里セルシーシアター本日閉館

地下の食堂街の奥に、ひっそりとある映画館。 ここにあることが当たり前すぎて、なくなるなんて考えたことがなかった。 千里セルシーシアターがきょう8月31日をもって閉館した。 淡々と、地味であっても選りすぐりのよい作品を上映してくれる。 また特集企画…

トマトがいっぱい

お盆前、これから台風が接近するとのニュースがあった日に トマトがどっさり届きました。 ずっしりと全部で推定3キロほど。送り主は郊外で家庭菜園をされている方です。 トマトは豪雨に打たれたりして急激に水分を吸うと、 実が裂けてしまう「裂果(れっか…

酷暑の自転車通勤、改善中です

一年で最も暑さが厳しくなる、二十四節気「大暑(たいしょ)」のころ。 週末、いつもの通勤より遅めの時間の炎天下にうっかり自転車で出かけたら、あまりの暑さにぐったり。 これが熱中症というものかと反省した。 そこで毎朝の自転車通勤のあり方を見直し…

「酒井抱一の短冊で1年を楽しむ」湯木美術館 平成26年夏季展

「酒井抱一の短冊で1年を楽しむ ー待合掛けと茶会の道具たちー」湯木美術館 平成26年夏季展 夏らしく軽やかで、さわやかな心地がする展示だった。酒井抱一(さかい ほういつ)の短冊を中心にした展覧会。今回は時間が限られていたので主に短冊を見学した。…

夏のスポーツドリンク、はじめました。

今週から毎朝、スポーツドリンクを作り始めた。 自転車乗りとしては、日よけと同じくらい水分補給が大事なので。 汗をかいて失われる塩分、疲労回復にもよいとされるビタミンCも取れるし。 毎日作ると、夏本番がやって来たことを感じる。 たびたびスポーツド…