なずなノート

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細野晴臣コンサート in 味園ユニバース「トロピカルビルダンディー」

  ああ、しあわせな時間だった。

2014年9月5日、夏の終わりに細野晴臣さんのライブを体験できた。

会場は、大阪なんばにある元キャバレーの味園ユニバース。


午後8時スタートと大人な時間。

広大な地下のキャバレーにはパイプ椅子が整然と並ぶ。

食べ物の出店がいくつもあり、いい香りがしてたくさんの人が行列していて、

地下のちょっとしたお祭り空間だった。


「大阪でワンマンでちゃんとやるの初めてかな」との言葉どおり、

高田漣(ギター、マンドリン、コーラス)、伊賀航(ベース)、

伊藤大地(ドラム)のおなじみメンバーに途中から参加の野村卓史(キーボード)とともに、

たっぷり1時間半ほどのステージだった。


ブギウギなどのカヴァーとオリジナルで構成されるなか、

ビートルズの「Dear Prudence」も。ハーモニーと高田漣さんのマンドリンの音色がきれいで、聴き入った。


「ここのにおいが、昔エイプリル・フールってバンドで演奏していたミュージックホールと同じなんですよ」と。

合間にはさまれるMC一つひとつが何というか印象深い。


「きょうのライブについて見たら『トロピカル(ビル)ダンディー』と書いてあるんですよ。

で一曲くらいやんなくちゃって」と演奏したのは、

「熱帯夜」だったか。


途中で、余興というか細野さんが演奏しない一曲があった。

ベースの伊賀航さんがリードヴォーカルをとる「Runnin' Away」。

Sly &The Family Stoneによる名曲だ。


細野さんはリズムボックスのボタンを押して舞台袖に引っ込む。

バンドが演奏を始める。

引っ込んだと思ったら、時々、舞台袖から出てきて、

ぴょんぴょんとジャンプしては引っ込む。で、また登場する。

最後は自らリズムボックスを止めて終了。

「そのうちファンクやりますから」と一言。

お茶目な人だなあ。


本編おわってアンコールのラスト、

「ま、リハーサルみたいな感じで」と「暗闇坂むささび変化」。


オリジナルメンバーでの演奏が叶わなくなったいま、

はっぴいえんどが1971年にリリースしたアルバム「風街ろまん」のナンバーを聴いている。

そのことにぐっときた。

はっぴいえんどの曲をライブで聴くのも初めてだ。


本編の最後はステージいっぱいに赤、黄、青、緑とフルカラーのネオンで、

アンコールのラストは、真っ黄色のネオンだった。


事前に主催者から席を立たないようにとの指示があった。

段差のないフラットな会場なので。観客はみんなすわったままでお行儀よく聴いていた。

それがアンコールのあとにはスタンディングオベーションに。

ずっと鳴り止まない拍手。

その中にあって、もちろんもっともっと聴きたかったけれど、

「ももんがー」の曲を聴けて、これ以上に何をもとめるのかという気にもなった。

2014年のいまも曲が演奏され、たくさんの人と共有されて生きていることを有り難く感じた。


ほかの演奏曲は、

「悲しみのラッキースター」「バナナ追分」

Tutti Frutti」「The House of Blue Lights」

「Body Snachers」「はらいそ」ほか、たくさん。


大阪の新喜劇がお好きだそうで、ドリル何とかが特にお気に入りのよう。

「あんなの絶対に東京にはいない」というようなお話を聞きながら、

細野さんのような人は大阪からは現れないだろうなあ、と何となく思っていた。


ところで当日にチラシをもらってからもずっと、

イベントのタイトルを「トロピカルダンディー」と空目していた。

正しくは「ビル」が入って「トロピカルビルダンディー」。

満員の観客によい機会を提供してくださって、

主催者であるビルマニアカフェの皆さまに感謝感謝。

 

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