なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

茶の湯の音

 久しぶりにお茶のお稽古に行くと、あることに気がついた。

それは、お稽古のなかで生まれる音。
静かな茶室にあって、耳をすませば音はあふれている。
 
茶碗を右手で持つか左手か、などと細かなプロセスに、ついとらわれてしまいがちだけれど、
目だけではなく、音もその場を構成する要素の一つなんだと感じられた。
 
すり足ぎみで茶室に入り、
蓋置に柄杓をのせ、礼をする。
茶釜の蓋を取り、蓋置にのせる。
 
茶碗を清めて湯を建水に移す。
柄杓を茶釜に沈ませて湯をすくい、茶碗に注ぐ。
茶筅でシャカシャカと茶を点てる。
 
その一連の流れのなかで、音を発している自分は一方で、
音の聞き手でもあるのだった。
 
客として聞くのはもちろんいいけれど、
点前をする時にはその音に安らぐこともある。
たとえば、湯を柄杓から茶碗に湯をさす時の、ジョロジョロという響き。
 
もちろん「松風(まつかぜ)」も。
茶釜に湯が煮え立つ音を、松葉が風に揺れるさまにたとえた表現は、
いまもいきている。
 
写真は草むらで見かけた露草。茶花にも使われるそう。
 

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