なずなノート

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重陽のころ

きょう九月九日は「重陽(ちょうよう)」の節句

菊の節句であり、陰陽思想で奇数は「陽数」とされることから、

「九」はいちばん大きな陽数となるのでおめでたいともされる。

 

一月七日、三月三日、五月五日、七月七日につづく五節句の最後でもある。

平安時代には観菊の宴が行われ、菊酒を楽しんだという。

辞書を調べると、「菊花の宴」「菊の節会(せちえ)」といった言葉が並び、

雅やかでかぐわしい印象を受ける。

 

とはいえ旧暦でいうところの節句なので、

菊が見頃を迎えるのはもう少し先。

きょうも残暑が厳しく、夏の花のヒマワリやサルスベリが咲いているし、

感覚としてはあと1か月くらい先のことなんだろう。

 

菊を愛でるような風流なことは何もできなかったけれど、

同じキク科の一年草カモミールのお茶で一服。

ヨーロッパからやって来た可憐な花の茶を飲みながら、

華やかな宴を思うには……ちょっと遠すぎるほど

地味な一日であった。

空には時折雲隠れしながらの満月。