なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

2014-01-01から1年間の記事一覧

映画「ぼくたちの家族」たとえややこしくても家族

ふだんは考えようとしない、家族のことを思い浮かべる時間が生まれた。そのきっかけとなっただけでも、この映画を見てよかったと思う。郊外の一軒家に暮らす若菜玲子(原田美枝子)は、会社を経する夫(長塚京三)と息子二人の四人家族。息子たちはすでに家…

映画と駐輪 3.十三の第七藝術劇場、シアターセブン

梅田から十三へ向かう川沿いのサイクリングはなかなか気持ちがよい。 梅田方面からだと茶屋町の北西にある「済生会病院前」交差点を十三筋沿いに北上し、 十三大橋を渡るコースだ。 川に沿った道は、阪急電車とも並行していて、 中津駅のあたりでは特に間近…

映画「スチューデント・オブ・ザ・イヤー狙え!No.1!!」マサラ上映

映画を見て、こんなに汗だくになったのは初めてだ。あー、楽しかった。 7月12日(土)、塚口サンサン劇場で行われた「スチューデント・オブ・ザ・イヤー狙え!No.1!!」のマサラ上映に、ビギナーとして参加した。正式にはマサラシステム上映、というのかな。…

【小暑のころ】蓮が見ごろ

少し時間が経ってしまったけれど、7月7日ごろの朝に蓮を見に出かけた。 行き先は、大川の河川敷に突如あらわれるハス池。 場所は造幣局の川向かいあたり。 小さな池の一面に、白やピンクの蓮が咲いていた。 一片の花びらは、まさに「散り蓮華」。 そっと汁物…

去る映画館と、ひとときよみがえる映画館〜千里セルシーシアターと梅田ガーデンシネマ〜

上映スケジュールをチェックしようとして絶句した。 千里セルシーシアターのウエブで「本日の上映作品」をスクロールした先には、 「閉館のお知らせ」があった。 良作をロードショー上映から3〜6か月後、時には1年後にかけてくれる、 街中の映画館。あと…

映画「ある精肉店のはなし」いのちに向き合うひとは、いのちを考える機会の多いひと

一本の綱を引いて、男性が牛を連れて歩くところから 映画「ある精肉店のはなし」は始まる。 ごくふつうの住宅街にある細いアスファルトの道での、 どこかのんびりした情景だ。 向かう先は、屠畜場。牛が動物としての生を終え、 店先で見かける「お肉」へと…

セミの初鳴き

朝、大きな木々がそびえる公園近くを自転車で走っていたら、 耳が反応した。 セミの鳴き声だ。 シーシーとか細く、まだ群れではない。 今日から七月。 明日は雑節の半夏生(はんげしょう)。 夏至から11目にあたり、梅雨が明けはじめ、田植えを終えるころと…

「海を渡ってきた茶道具」

平成26年春季特別展 「海を渡ってきた茶道具 ーー名物記・茶会記に現れた唐物・南蛮・高麗ーー」 室町時代から江戸時代初期に海外から渡来した茶道具のなかで、 中国からの「唐物(からもの)」、東南アジアからの「南蛮」、 朝鮮半島からの「高麗」を中心…

「千家伝来の茶の湯釜」

平成26年春季特別展 開館十五周年記念 「千家伝来の茶の湯釜」大西清右衛門美術館 2014年6月 千家十職(せんけじゅっしょく)の一つ、釜師である大西家の美術館開館十五周年記念展。 表千家、裏千家、武者小路千家と三千家から 選りすぐりの茶の湯釜が集めら…

夏至のころ

きょうは二十四節気の「夏至」。北半球では一年で最も日が長くなる頃。この日を境に本格的な夏とされる。梅の実や山桃がなり、クチナシが酔いしれるような甘い香りを放ち、色とりどりのアジサイが咲く。五月初めの立夏の頃に摘んだ新茶が出始め、梅雨前線が…

映画と駐輪 2.シネ・ヌーヴォ

大阪市西区にある映画館「シネ・ヌーヴォ」は、地下鉄九条駅から徒歩5分ほど。 自転車だったら本町駅から20分くらいで行ける。 シネ・ヌーヴォでは特に駐輪場はなく、劇場前に駐輪するのがままOKな雰囲気。 劇場の自転車も駐めてあるし。 いつ見ても駐輪台数…

中之島でソラメシ

週の初めで余力があるせいかお弁当を作った。梅雨の合間に晴れていたので、久しぶりに青空の下でランチを食べる、「ソラメシ」に出かけてみた。 行き先は、大阪・中之島公園。バラ園を眺めながらと思ったものの、あいにくほとんど花は終わっていた。 自転車…

夜、疲れてへとへとな帰り道にすること5つ

帰宅するために移動するのさえ、面倒になる日だってある。 それでも、座っている椅子が勝手に家まで届けてくれるわけではないから 重い腰を上げる。 そんなときにするのは、たとえばこんなこと。 1.とりあえず何か口に入れる 帰るにはエネルギーが必要だ。…

茶を淹れたくなるとき

明代の中国で、 許次紓(きょじじょ)が茶にまつわるこんな漢詩を詠んでいる。……心手閑適 披咏疲倦 意緒棼亂……「飲時」 「茶疏(ちゃそ)」より(訳)こころも手もひまなとき読書や作詩にあきたときこころが混乱したときそんな境地を真似て、お茶を淹れると…

能楽堂に行ってみた

能の舞台を見る機会があった。あの伝統芸術である。 600年以上前の室町時代に観阿弥・世阿弥父子が大成し、 言葉や節回しは当時の様式をとどめているのだという。 初めて足を踏み入れた能楽堂は、なんとも贅沢な印象だった。 建築のなかにもう一つ建築が作…

「フラッシュバックメモリーズ4D」@梅田AKASO アンコール

3D映画を見ながら、ライブの演奏を聴くという「フラッシュバックメモリーズ4D」。 映画が終わった後、アンコールがあった。しかも新曲を2曲も! GOMA&The Jungle Rhythm Section の演奏を目の前で見ていると、アイコンタクトは必要ないみたい。 音で会話して…

映画とライブがシンクロした「フラッシュバックメモリーズ4D」

音は空気を伝わる波である。 そう物理の先生が教えてくれたことを、このライブを見て思い出した。 もちろん耳で聴いているんだけど、音が腹にくる。 床を伝ってか、服や皮膚にもビシビシ振動が感じられる。 3D映画「フラッシュバックメモリーズ」を見ながら…

スターになれなくても、また良し。映画「バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち」

ふと耳なじみのある曲が頭をめぐることがある。 ルー・リードの代表曲「Walk on the Wild Side 〜ワイルドサイドを歩け〜」 だったら必ず、「ドゥ ドゥ ドゥ〜」のコーラス部分が思い浮かぶ。 何度も反すうしてきたそのメロディーを歌う人に、 これまで思い…

立夏ーー夏の点前のはじまり

春分と夏至の中間、立夏(りっか)のころ。 お茶好きとっては2つのトピックスにより、そわそわする季節である。 まず茶道では、立夏の前後に大きな変化が見られる。 冬のお点前から夏のお点前に変わるという一大イベントを迎える。 畳をめくったところに炉を…

春の旅箪笥

桜が咲くころになると、旅箪笥(たびだんす)を思い出す。旅箪笥は茶道具の棚で、千利休が豊臣秀吉の小田原の陣に参じた際に創案したとされる。桐木地の携帯用の棚で、金具で施錠し、中に茶入や茶碗、水指、柄杓、蓋置などを収納する。 戦のあいだに屋外で…

穀雨に新緑のミントティー

穀雨(こくう)のころには、たいてい雨が降るようです。今年の穀雨は4月20日。その翌日もあわせて2日間、やはり霧のような雨が降りました。 五穀をうるおす雨が降り、万物の成長をうながすとされる節気。とくに何を育てているわけでなくても、街中で草木の…

映画「小さいおうち」小さな家の大きな思い出

タキちゃん。 奉公先の家族のためにけなげに働く姿を見ていると、 親しみを込めて、そう呼びたくなる。 82歳にして82作目となった山田洋次監督の「小さいおうち」。 その世界は枯れるどころか、ますますふくよか。 家族のホームドラマにとどまらない、ひそや…

梅田ガーデンシネマ本日閉館

ああ、うっかり油断していた。こんなにも深くお世話になっていた映画館だったとは。考えたこともなかった。梅田ガーデンシネマのことである。「 映画なんてどこで見ても同じ」なんてことは思ってない。でも、そんなに意識してなかったこともあり、いつどこ…

立春大吉

寒さで身が引き締まる、立春の夜。 「立春大吉」を書くためにほんの少し墨をすり、筆をとってしたためた。 これはどこかで読んだ、禅寺の習わしの真似である。 禅寺では立春の早朝、「立春大吉」と書いた紙を貼り、 厄除けにするという。 この四文字は左右対…

垂直の旅 〜梅田スカイビル「空中庭園」で初日の出〜

謹賀新年年末に映画館を訪れた時、梅田スカイビル空中庭園で年始に早朝営業があることを知り、出かけてみた。 空中庭園の展望台は、屋外で360度ぐるりと大阪の街を見渡せる絶好のスポット。 初日の出を目にしたいと思っていたものの、日が出る午前7時5分前…