立春大吉
寒さで身が引き締まる、立春の夜。
「立春大吉」を書くためにほんの少し墨をすり、筆をとってしたためた。
これはどこかで読んだ、禅寺の習わしの真似である。
厄除けにするという。
この四文字は左右対称であり、一年間災いにあわないまじないだそう。
紙を貼る場所は左右の門や南側の壁とか諸説あるようで、
門はないので南の壁面とした。
早朝ではなく日付けが変わる直前の深夜ではあるが、
しかも習字に難ありだけど、誰に見せるわけでもない。
墨をすって文字を書くと、気分晴れ晴れ。
明治初期の日本に滞在し、日本人の暮らしを見つめたモースの言葉
「すさまじい剣幕で手紙を書こうとするときでも、
墨をすふ間に十分に冷静になる丈の時間がある」に納得。