立夏ーー夏の点前のはじまり
お茶好きとっては2つのトピックスにより、そわそわする季節である。
まず茶道では、立夏の前後に大きな変化が見られる。
冬のお点前から夏のお点前に変わるという一大イベントを迎える。
畳をめくったところに炉を構える「炉」の季節から、
畳の上に炉を構え茶釜を置く「風炉(ふろ)」に移るというもの。
ただ炉の位置が変わるだけではない。
湯を汲む釜の場所が変わることから、点前するポジションが大きく変わる。
座る向きが移動するのにともない、茶碗や茶入、蓋置などを置く位置も風炉の仕様となる。
何度季節を重ねても、毎回ゼロからスタートする気分を味わう。
半年前まで行っていたはずの風炉の点前を、きれいさっぱり忘れているのは情けないけれど、
マンネリにならずにいつも初心に戻れるということで、良しとしよう。
先日、流派の講習会でさる先生が
「お薄(薄茶の点前)はいつでもついてまわる、すべての基本です」とお話されていた。
その言葉を頭の片隅におきながら、暦の上での夏もお稽古にのぞもう。
もう一つのお茶のトピックは、何といっても新茶!
八十八夜は今年は5月2日だったけど、その前後は茶摘みの最盛期。
新茶の緑茶が出回るのはもう少し先かな。
お茶に目を向けると、季節を感じるアンテナが少し増えるようで、有り難い。