なずなノート

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去る映画館と、ひとときよみがえる映画館〜千里セルシーシアターと梅田ガーデンシネマ〜

 上映スケジュールをチェックしようとして絶句した。

千里セルシーシアターのウエブで「本日の上映作品」をスクロールした先には、

「閉館のお知らせ」があった。

 

良作をロードショー上映から3〜6か月後、時には1年後にかけてくれる、

街中の映画館。

あと旧作のリバイバル上映も。


「かぞくのくに」「ハンナ・アーレント」「最強のふたり

最近では「そして父になる」といった、別の映画館で見たけどまた見たくなって

千里セルシーシアターを訪れる、というパターンが多かった。

 

ひっそりと映画好きが集まるそこは確かに大盛況ではなかったけれど、

細々とでも続いてくれるものと勝手に思っていた。

 残念で仕方ない。

ただ、今できることは残りほぼ2か月のあいだにしっかり通って

せめてもの恩返しができればと願う。

そして、できるだけ多くの人にお知らせすることができればと。

 

席を決めずに好きなところに座れる、というのは千里セルシーとも共通していた、

梅田ガーデンシネマ。

こちらは今年2月に閉館したが、なんとメモリアル上映が決まった!

会場は京都シネマ

珠玉の10作品が上映される。そのセレクトがガーデンシネマならではの、

国境も時間も飛び越えた作品たちで、

酷暑の京都に通う覚悟が今からできつつある。

 

上映されるのは、この10作品

ギター弾きの恋

ジョゼと虎と魚たち

かもめ食堂

シュガーマン 奇跡に愛された男

ル・アーヴルの靴みがき

誰も知らない

モーターサイクル・ダイアリーズ

ディア・ドクター

麦の穂をゆらす風

オーケストラ!

 

  京都シネマのメモリアル上映ページはこちら

ガーデンシネマのスタッフによるコメントを読んでいるだけで、

こみ上げるものがあった。

 

ガーデンシネマ閉館後も同じ場所で映画館が続けられていることは

本当に有り難く、何度も足を運んでいるが、そのたびに

「ここは梅田ガーデンシネマではない」ことを実感する。

 

それは「本日のご来場まことにありがとうございました」という

男性スタッフのアナウンスが流れないってことだけじゃない。

そういったことまるまる含めた、「居心地のよさ」だったり、

その劇場で過ごした時間の積み重ねだったのかもと、

10作品への愛情あふれるスタッフの方々のコメントを読みながら感じていた。

とにかく見ている作品も未見も含めて制覇したい。

 

京都シネマでの上映期間中、元スタッフの方が

お話してくださる日なんかあったら、なおうれしいな。

いや特集上映してくださるだけでも十分に感謝。

とにかくあと1か月、こちらは指折り数えて待つばかり。

 

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