なずなノート

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映画「大いなる沈黙へ」すべてを捧げる安心感

 映画「大いなる沈黙へ  グランド・シャルトルーズ修道院」の終わりに、

盲目の老僧が語るシーンがある。
 
唯一のインタビューのようだが、フィリップ・グレーニング監督のインタビュー記事には、
「あの修道士は視力を失っただけでなく、耳もほとんど聞こえない。
それでも部屋に入った自分(監督)の気配に気づいて、独りでに話し始めた」らしい。
 
こんなことが語られていた。
 
神には我々の人生がすべて見えている
つねに我々を見てくださる
 
起こることはすべて魂をよくするため
魂をよくするためために盲目にされたに違いない
 
なぜ死を恐れるのか
むしろ幸せ
誰にも訪れる
父に再会できるのだから、大きな悦びだ
 
神により早く近づけば
より幸せになれる
 
すべてを神におまかせすると、
こんなにもやさしく穏やかになれるのだろうか。
その境地は計り知れないが、
年老いた白い眉毛の僧の姿はまぶしく、美しいと思った。
 
2014年10月 第七藝術劇場で鑑賞。