なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

2年ぶりにチャリティー茶会へ

 朝日新聞チャリティーの「第六十一回 各流合同茶会」を訪れた。

 

煎茶および茶の湯の9流派が集まる大規模な茶会。

客は一席券または二席券を購入し、好きな流派のお茶とお菓子をいただける趣向で、

収益金が服しのために役立てられるのだそう。

会場は大阪美術倶楽部。

 

今回訪れたのは、表千家の茶席。

席主をつとめるのは生形貴重先生。

 

茶の湯で長く大切にされている茶道具と、

もとは別の用途で使われていたであろう見立ての品。

古いものと新しいもの、国内と海外のお道具を取り揃えて見せてくださるので、

毎回とても楽しみにしている。


ほんの一部をご紹介。

今回の主茶碗(おもぢゃわん)は、道入(どうにゅう)作の黒筒茶碗、銘は「氷梅」。


道入は楽家三代目当主(1599〜1656年)。

この茶碗は2回割れたことがあるそうで、

2回目に割れた近年、金継ぎではなく輪島で黒漆で継いでもらったのだと

お話があった。

近くでみると無数の継ぎ目があり、土が足りないところは金継ぎされていた。

こうして長く大切にされ、生き続けるのだと知る。


茶器はなんと! イタリアからやって来たオリーブの平棗(ひらなつめ)。


ローマのマーケットで見つけたものだそうで、元の用途は何だったんだろう。

シュガーポットとしても使えそうだが、形は棗そのもの。

オリーブの木地をそのままに、 身も蓋もオリーブをくり抜いたものとみえ、

持ってみるとずしりと重量感がある。


莨盆(たばこぼん)がまたおもしろかった。

タイ土産の象さん形のオブジェに、火入や莨入、煙管が載せてある。

象はパオーンと鼻を上げているポーズで、

近くに寄るとアジア雑貨屋さんのような香りがした。


床に飾られていたのは間宮英宗筆「一花一葉一尊仏」。

 お茶に向かう心地もこうありたい。