なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

「國府ノート2015」アイデアの足跡

 

 乗り物をモチーフにした作品を発表した

現代美術家・國府理(こくふおさむ)の回顧展。

 

「プロペラ自転車」の作品が展示されたほか、

遺されたノートやメモが展示された。

その数ノート20冊、約900ページにおよぶ。

 

膨大なボリュームのノートの内容すべては

PDFファイルとしてタブレット端末で閲覧でき、

一部はファイルで展示され、手にとって見ることができた。

 

車や自転車、バイクのラフスケッチや、方眼紙に正確な数値を示したスケッチ、

車から見える風景、資材の値段やバッテリーの持ちを考察するグラフ……。

つねに手を動かし、あらゆる角度から考え、検討を重ねていたことが伝わる。

 

たとえばクジラにプロペラを乗せるスケッチを経て、

後に作品になったのが「ROBO Whale」。

廃車の骨組みを利用し、全長7.7メートルもの「クジラの化石」へと変貌させた、

その変遷の一部を知ることができた。

 

展示されていた新聞記事によると、

國府は大学在学中にソーラーカーの製作に熱中し、

国内レースで優勝。アメリカ横断も果たしたという。

 

自由に思い浮かべるアイデアと、それを実現させるための試みの

どちらもを自ら続けていた作家であることを、遅ればせながら理解した。

 

5月には「國府理の仕事と仲間たち」展が、

大阪のアートコートギャラリーで開かれるという。

 

2015年3月、アートスペース虹で鑑賞。

 

下の画像は「親子の庭」。

2013年に西宮市立大谷記念美術館で開催された

「國府理 未来のいえ」展に出品された作品で、

大小のパラボラアンテナの上に植物が育つ。

撮影OKの展覧会だったので撮影し、画像が残っていた。

 

2013年「未来のいえ」展の記事はこちら

 

f:id:chakurai:20150328214944j:plain