なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

菜の花のころ

 一面に広がる菜の花畑を「おいしそう!」と家族全員で眺めたという、
知り合いの話が好きだ。

露地で咲いているのはまだお目にかかれていないけど、
今年も食べられるほうの菜の花は店頭に並んでいる。

「菜の花や月は東に日は西に」という与謝蕪村の名句は、
京都南郊の桂川宇治川、木津川が合流するあたりを
詠んだものだと『季語集』で知った。

その眺めをのぞめるのは、朝日ビール大山崎山荘美術館のテラスかな。
菜の花が咲くかはわからないものの、
三つの川が交わる、ゆるやかな風景が今も広がっている。

昔は菜種油の灯火が夜の灯りとして重宝されたというのも
季語集を読むまで知らなかった。

茶の湯においても菜の花は意味のある花だということも、
お茶のお稽古で教わった。

茶の湯の祖、千利休の命日である利休忌以降に菜の花を生けるのだという。
利休忌は表千家では3月27日、裏千家では3月28日とのことで、もうすぐ。