映画『しあわせのパン』
観ているうちにお腹が空くという評判は本当だった。
『しあわせのパン』は、北海道・洞爺湖のほとりにある町・月浦が舞台。
東京から移住し、宿泊施設を兼ねたパンカフェを営む
水縞くんとりえさん夫妻のもとには、ちょっとユニークな常連客と
夏、秋、冬そして春と季節ごとに新たな客が訪れる。
青々と広がる草原、なかなか暮れない夏の夕暮れ、
紅葉のなかのサイクリング、冬の月夜、一面の雪景色。
湖をのぞむカフェの、季節を追った風景が美しい。
ファンタジーやおとぎ話を思わせるかわいい画面に
深い悲しみを抱えるひとが日々をていねいに暮らしながら
再生する物語が紡がれている。
そのためか、すとんとお話の世界に入っていける気がする。
「仲間」を意味する英語、もともとはフランス語の「companion」が
パンを分け合う間柄の人をあらわすように、
食事ともに、少しずつ分け合うことが増えることで
つながりが深まっていく。
何度も登場する焼きたてほかほかのパン、オーダーごとに豆を挽いて淹れるコーヒー、
季節の野菜を使ったスープがとってもおいしそう。
毎日の食事って大事だなあと、しみじみ思った。
我が食事の日々の至らなさをかえりみて反省し、
翌日はお弁当を時間をかけて作った。
2015年1月に塚口サンサン劇場で鑑賞。