なずなノート

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映画『セッション』ずっと緊張しっぱなし

 
 はじめのシーンから終わる瞬間まで、これほど緊張が緩和するスキがない作品を
初めて見た。
映画『セッション』。

名門音楽学校でジャズドラムを学ぶ19歳の青年ニーマンは、
学内選りすぐりのメンバーを集めた
ビッグバンドを指導する教師フレッチャーに出会う。
すさまじいスパルタ教育でしごく鬼教師と、
すべてを投げ打ちドラムにかけるニーマンの姿を追う。

ジャズについての知識がない身としては、
サスペンスやホラーを見ているようなこわさ、緊迫感があふれるその世界につかまれた。

緩急自在に相手の感情を操る、だます、腹をさぐり合う。
さまざまな感情が渦巻き、善悪の判断がつきかねる混沌のなか、
それらをごった煮にして煮つめて何か別のものへと
昇華させたような、ラスト10分間ほどのライブ感には、しびれた。
この迫力は映画館のスクリーンでしか味わえない。
終わってからもしばらくは頭の後ろのほうがジンジンしていた。

監督のデイミアン・チャゼルは28歳でこの作品を指揮したというから驚いた。
2015年6月、塚口サンサン劇場で鑑賞。