なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

立冬のころ、炉のはじまり

 暦の上では冬がはじまる「立冬」のころ。

茶の湯では、しつらえがかわる。

畳の一部を四角く切り、床下に茶釜を据える「炉」の季節がはじまった。

 

炉の点前となって最初のお稽古。

水指(みずさし)を両手で持って、運びの点前をはじめる。

すると水指をどこに置いたらよいのか、わからない。

炉の近くの半畳ほどの畳のどこかに置いたらいいのだろうけど、

場所が定まらない。畳を見つめても何も教えてくれない。

一瞬、頭が真っ白になった。

半年前まで炉の点前をしていたはずなのに思い出せず、

小さなスペースがとても広く感じられた。

 

先生から助け船が出て、まっすぐ進んだ先の真ん中に置くことを

教えていただき、定位置に置く。

続いて、水指の手前に茶入と茶碗を並べて置いたら、ひと安心。

なんとなく配置がわかってきた。

そこからは覚えのある気がしてどうにか点前を進めることができた。

 

やっぱり最初に、何にも置いてないところに水指を

的確な位置に決めるって、大事だけど難しい。

水指に限らず、どの道具でもそう。

パシッと確かなところに置くと、あとがスムーズに進むものの、

ハードルが高いなと感じている。

 

次回のお稽古では少し慣れてくるはず。

しつらえがかわって最初のお稽古の緊張感は

半年に一度のことで毎回冷や汗をかくけれど、

なかなかほかでは味わえない、興味ぶかい機会でもある。