霜降のころ
秋雨が降り、霜が降りはじめ
紅葉がこれから見ごろを迎えるころ。
二十四節気のうち、秋の最後の節気となる「霜降(そうこう)」は、
今年は10月24日(日)だった。
今週、夜半に雨が降ったときもずいぶんひんやりしていた。
あいさつ代わりに言葉を交わすときに、
「今年は秋が長くていいですね」と言い合う。
「一年じゅう、これくらいの気候だったらいいのに」というフレーズも
毎度定番な、そんな時季。
まだ明るい夕方に外に出て用事を済ませたら、
帰りには日が暮れていてちょっと寂しくなったりもする。
そんなときに思い出すのは、
この季節の、晴れの特異日に鬼籍に入ったチャーミングなひとである。
元気なときの、いけずでおしゃれな姿が浮かび、
こちらもうかうかしていられない。見られても恥ずかしくないように
身だしなみを整えなければと、背筋が伸びる。
秋まっ盛りのころになると条件反射のように故人を思うのは
寂しくはない。むしろ、ほっこりした心地になるような。
写真は、街なかの公園で見かけたツワブキ。