なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

また自転車に巻き込まれる

 急いでいる時ほど自転車でアクシデントが起こるのは、なぜだろう。

 

昨日もそうだった。

仕事を終えて超特急で自転車を飛ばして

お茶のお稽古に向かっていた。

 

寒かったので腰まわりにストールをぐるぐる巻きにして走ったのだけど、

それがいけなかった。

 

ワンブロックほど走らせたところで

ペダルを漕ぐ足が重くなり、するとやっぱりストールが

後輪のチェーンに巻き付いていた。

 

自転車を車の通らない場所に停め、

チェーンを回しながら、ストールをほどいていった。

 

夜7時過ぎのオフィス街。

道行く人は、何事もないように放っておいてくれる。

 

少しずつストールがからまるのをほどいたものの、

あと2周ほどで終わる段になって、

ギュッとストールが巻き付いていて少々途方にくれていた。

 

そんなところに「ダイジョーブ?」の声。

うつむいてストールに向かう私に

下からのぞき込むその人は、

暗い夜道にあって目だけが輝いていた。

 

というのは、その方は肌の色が夜道になじんだ外国人男性だったから。

目が合った時は、一瞬「ひっ」とびっくり。

 

ところが、その方は屈託なく

「こうやったらダイジョーブ」とか何とか言いながら、

ささっとストールをほどいてくださった。

 

ああーっ、瞬間でもびびってしまってごめんなさい。

そして、ありがとうございます。

何と言ったらよいかわからないまま、

思いつく限りのお礼(もちろん日本語)をお伝えしたところ、

その男性は「You are welcome!」と言い残して、

さあーっと、近くのビルに消えてしまった。

 

わー、今日の天使だ。

心身ともにカピカピに乾いた者には

あたたかい手助けが身にしみる。

捨てる神あれば拾う神あり。感謝。

 

後ろ姿に頭を下げて、また自転車を走らせた。