「第4回ああ素晴らしき音楽祭」その1アンコールセッション2015.12.28チキンジョージ
2015年の締めのライブが、年間どころかこの先ずっと
忘れられないような体験となった。
「第4回ああ素晴らしき音楽祭」。会場は神戸のチキンジョージ。
オープニングアクトに島津田四郎。
熱い弾き語りで会場を一気に盛り上げるギターパンダ、
歌詞の響きがしみる友部さんと、タイトルに違わず素晴らしいイベントで、
なかでもぐっとくるサプライズがアンコールのセッションだった。
アンコールの１曲目は、「地球の一番はげた場所」。
真島昌利ファースト・ソロアルバム「夏のぬけがら」に収録されている曲で、
作詞・作曲は友部正人、アレンジはギターパンダこと山川のりをが担当。
友部さんを真ん中に、ステージに向かって左側にのりをさん、
右側にマーシーが並ぶ。
友部さんはアコギ、のりをさんはエレキギターとペダルで鳴らす簡易なドラム、
友部さんの歌から始まり、二番はのりをさんと、三人で歌い回す。
裏の拍を刻むましまさんは、バンドでのライブの時みたいにくるくる回ったり、
糸巻きダンスしたり、たくさんピックを投げたりといったパフォーマンスはない。
ただリズムに乗って楽しそうに演奏する姿は、ましまろで座って演奏したり
コーラスするのと同じくらい新鮮だった。
「地球の一番はげた場所」は、確かアルバムでは結構な大人数で演奏していると
思われるサウンドで、それを3人で演奏するという友部さんいわく
「初めてじゃないかな」という試み。
アルバムでは音がどんどん小さくなってフェイドアウトしかけて、
まただんだん大きくなってフィナーレ、って構成なんだけど、3人でも同じく。
ドラムとギターリフを奏でる、のりをさんの音が徐々に小さくなって、
その様子を友部さんとましまさんの2人が見守る。
で、また音が大きくなって大団円。どうなるのかな？っていう
セッションならではの呼吸も伝わってきた。
このまれな瞬間にいあわせていることが有り難く、この先何度も
思い出すんだろうなと思うと切なくもなった。
1989年のリリースから26年を経て、制作にかかわった3人による
演奏を聴けるふしぎさよ。
アンコール2曲目は、出演者全員で「I Shall Be Released」。
ボブ・ディランの名曲を友部さんの日本語詞で歌い回す。
こちらもじーんとした。
演奏が終わったら友部さんとマーシーが握手していた。
友部さんと真城さんも、真城さんが恐縮しながら握手されていた。
アンコールが終わると、ルイ・アームストロングの「What a wonderful world」
が流れていた。世界はそれでも素晴らしいと、一瞬でも思わせてくれる
音楽祭だったと思う。
