名残りの大丸心斎橋店本館
大丸心斎橋店本館が、建て替えのため2015年12月30日でいったん閉館する。
アメリカ人建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計で、昭和8年に建てられた。
そこにあるのが当たり前すぎて、なくなってしまうという
実感はまだ湧かない。
閉館一日前に館内を巡ってきた。
7階までエスカレーターで上がって階段で下りる。
そうすると、ゆとりのある空間やデザインをあらためて発見した。
ステンドグラスの装飾や、大理石が使われた階段、レンガの外観……。
素材の贅沢さや色使いはもう再現できないことを思うと、
名残り惜しい。
惜しい気持ちで写真に収める。
見たものを撮影することはできるけれど、
一階の高い天井の下、華やかな装飾が施された空間にいる
晴れがましさは、残せない。
体験を記憶にとどめるしかないと思うと、やっぱり寂しい。
せめてもと気になるディテールをたくさん撮影して、
お別れとした。