中秋のころ
毎年春に桜が咲くと、「今年も桜が見られた」と思う。
月を眺めて「今年も中秋の名月が見られた」と感じたのは、
なぜか今年が初めてだった。
中秋の名月の翌日に、今年でいちばん大きな満月の
スーパームーンが見られた九月の末。
明るくて大きな満月は、ビルが並ぶ街なかにいても
ひときわ輝いていた。
歩いていたら、遮るものが何もなく、
ぽっかり浮かぶ月に出あった。
中之島の栴檀の木橋(せんだんのきばし)にて。
川面に映る月光もきれい。
橋の上にはちょっとした人だかりができていて、
即興のお月見スポットになっていた。
時折、雲がかかり上半分だけが見える月、
薄雲がかかってうっすらみえる月。
夜半、西から東へ素早く雲が流れ、一瞬見えなくなっても
スーパームーンの明るい月の気配は消えることがなかった。
月をちらちら眺めながらのサイクリング、
これもお月見といえるのかなと思いながら、自転車を走らせた。