雨後
明け方まで続いた春の長雨が止み、久しぶりに晴れの天気予報となったきょう。
自転車で靱(うつぼ)公園まで出かけて、
外でお弁当を食べる「ソラメシ」のランチタイムとした。
バラ園に着く。開花はもう少し先で残念、という気になりかけたのもつかのま、
雨を吸っていきいきしたみどりが目に入った。
地面に近い芝生の緑からバラの葉、アーチに巻き付くつる植物、
遠くには高い木まで、緑のグラデーション。
たくさんの緑色があって、同じ色はひとつもない。
中国茶の世界では、穀雨より後に摘みとった新茶を「雨後茶」と呼ぶ、
というお話を思い出した。
穀雨の翌日のきょうは、まさに「雨後」。
山では雨後の筍も育っているころだろうか。
見渡すかぎりの緑をさす、夏の「万緑(ばんりょく)」というにはまだ早く、
黄色みを帯びたやわらかい葉、赤っぽい緑、グレーがかった葉っぱなど。
みずみずしく、どこか頼りないような新緑の
草いきれに包まれて深呼吸した。