なずなノート

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LÄ-PPISCH「大反省期」でよみがえる、現ちゃんの楽曲

  9月24日に開催された、2013年唯一のレピッシュライブ「大反省期」。

 そこで上田現作品は輝いていた、と思う。

何というか「タイムレス感」みたいなものが半端なく感じられた。

 

 古さを感じさせないというだけでは整理のつかない、

ずいぶん昔に、例えば昭和初期とかに作られたとしても納得するし、

あるいは最近の曲といわれても、そうかなと感じるというような。

 

 時間と空間が独特というか、

ほかの何にも似ていないかたちで存在しているというか。

ガンジー」や「歌姫」「胡蝶の夢」なんかを聴きながら、

現ちゃんの曲にある、タイムレス感に今さらながら気づかされた。

この日のライブ自体も、時間も空間も歪んでいるような感じがあったと思うんだけど。

 

 MAGUMI、杉本恭一、tatsuのメンバー3人は現在

ソロ中心に活動していることもあり、レピッシュに対して

「昔の曲を演奏して、客もそれを懐かしがっているだけでしょ」と、

とらえられるかもしれない。

自分もそういう見方をしていたフシもある。

 

 それでも、ファン目線から自分が逃れられないのを承知しながらも、

ノスタルジーだけではとどまらない! と言い切ってしまいたい。

 

  恭一さんと現ちゃんという強烈な個性をもつソングライター二人が時に拮抗し、

時に境目がわからないほど溶け合うレピッシュの楽曲たちが

 2013年に演奏され、観客が楽しむというので十分ではないか。

 

 中でも本人に会うことはかなわない、現ちゃんのタイムレスな作品は

歌い継がれることで、ずっと生き続ける。

その時々で新たな発見があり、楽しむこともできるんじゃないか。

そんなふうに感じている。

 

 

  誰からも見向きもされないようなものや、

弱くてはかないものたちへのまなざしが感じられる現ちゃんのナンバーは、

映像が浮かび、一編の詩や映画のシーンになりそうだ。


 それを体現するのがマグミさんのヴォーカルであり、

恭一さんのギター、タツさんのベースであり、

「六人の侍」としてサポートするメンバーなんだろう。

  そう、昨年も今年もレピッシュのナンバーを自然に聴かせてもらえるのは、

奥野さんのかっこいいキーボードがあってこそ。

本当に有り難いことだと思う。


レピッシュで発表した曲の多くを、

二十代から三十代前半までに作っていたのだから、

現ちゃんの才能ってば。今さらながら驚く。

 その楽曲を含めた、レピッシュのナンバーが鳴らされる場面に、

これからもできるだけ立ち会いたいとねがう。

 

 来年は、現ちゃんの七回忌。

レピッシュとしての新しい動きもあるそうなので、期待して待っていよう。

 

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