なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

インドの子どもたちがかわいい映画「スタンリーのお弁当箱」

 かわいい子どもたちの姿に魅了されて、お腹が空いてカレーが食べたくなり、
しまいにはホロリとなる、インドの少年を描いた作品。

 小学4年生のスタンリーは、家庭の事情で学校にお弁当を持ってくることができない。
ランチタイムには水を飲んでしのいでいる。
それを知ったクラスメイトたちは、裕福な家庭のアマンをはじめ、
みんなが自分のお弁当を分けてくれようとする。

 それを邪魔するやっかい者が現れる。食い意地のはった教師のヴァルマー先生だ。
「人の食べ物を漁りやがって」とスタンリーを教室から追い出し、
「ネズミめ、弁当を持たない奴は、学校に来る資格がない」と言い放つ。
ヴァルマー先生だってお弁当を持って来ず、同僚の先生や生徒たちのお弁当を漁っているというのに。
それでスタンリーは登校しなくなってしまう。

 逆境にあって周囲のサポートもあって
スタンリーは念願の学校選抜のコンサートという表舞台に立ち、
特大のお弁当箱を学校に持っていくこともかなう。

 それでも、ただ「よかった、よかった」では終わらない。
小さなからだに精一杯のプライドを持つスタンリー。
その様子を見守る大人の存在、
例えば作文の出来がよかったからとお菓子をくれたり、優しく声をかけてくれるロージー先生や、
おいしい料理を作り、彼が眠るのを見届けるコックさんがいるのが、
スタンリーにとっての救いなのかなあと思う。

映画の中で登場する料理は、どれもおいしそう!
「ほうれん草とチーズのカレー」「山芋と豆のカレー」
「バナナのソテー」など、気になる料理がたくさん。

また、この映画は脚本を作らず、学校の教科書を与えて
土曜日や学校の休暇に1年半かけて撮影したのだそう。
小さな一眼カメラで気づかれないように撮影し、
子どもたちは最後まで映画撮影だとは知らなかったという。
生き生きした少年たちの表情に惹かれた。

映画の最後には、インドで働く子どもたちは1200万人、
家事労働も含めると5000万人以上に上ると表記されていた。