なずなノート

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「當麻寺」その1ーLED照明が設置された本堂

  奈良国立博物館(以下、奈良博)の「當麻寺展」に続いて、

本家というのか當麻寺へ初参拝。

展覧会と連動した企画が二つ、6月2日まで行われている。

 

一つは、本堂•金堂•講堂をLEDの明るい照明で拝観できること。

もう一つは、国宝•梵鐘の特別公開。

 

まず、仏さまについてメモ。

本堂の正面にましますのは、

本尊の「當麻曼荼羅」。ずいぶん新しそうな曼荼羅だ。

 

先日、奈良博で見た国宝の「綴織當麻曼荼羅」で描かれている内容が、すごくクリアに見える感じ。

通常公開されている、室町時代に写し作られた「文亀本」は奈良博で展示中だから、

これは第三の曼荼羅か。あるいは織物でないのかもしれないが、どうなんだろう。

 

曼荼羅を収納するケース「厨子(ずし)」と、

厨子を載せる「須弥壇(しゅみだん)」は、ともに国宝。

 

六角形の厨子は、漆塗り。

奈良博で見て気になっていた、金銀の蓮が描かれた厨子扉が、

もともとここに収められていたのだなあと納得。

 

須弥壇は、螺鈿(らでん)が各所に施されている。

 

鎌倉時代の寛元元年(1243)の銘文があるという。

770年前に作られた螺鈿を間近で見られて、

しかも、とってもきれいな状態で残っているので

テンションが上がった。

 

正倉院展でも素晴らしい螺鈿の宝物が出展されるけど、

当たり前ながら、すべてガラスケース越しにしか見られないから。

 

須弥壇の手すり、のようなものも

鮮やかな赤の漆がきれいでスベスベしていて、

思わず触りたくなった。

でも国宝なので、そこはガマン。

 

LED照明は、曼荼羅正面にある、見学するための畳の下に仕込まれていて、

照明の存在が目に触らず、快適に見られた気がする。

 

厨子の左側には「来迎阿弥陀如来立像」が、どっしり構える。

 

厨子の右側は、通常は「中将姫 二十九歳像」が置かれているが、不在。

達筆で「中将姫像は當麻寺展のため出張中です」と書かれた紙が、

落款つきで貼ってあったのは、ちょっとおもしろかった。

 

春分と秋分には、二上山の二つのピークの間に太陽が沈むのだと、ガイドの方が教えてくださった。

 

 西は「西方浄土」をイメージさせ、

山の向こうには推古天皇陵や、

聖徳太子の墓所が設けられているとも。

 

 確かに、夕方になると、本堂の背に日が沈みかけていた。

 

 実際に訪れてみると西に二上山がそびえる、

その環境の大きさが実感できた。

 

 

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