「組むたのしみ」テーマとのつながりは、さまざま
藤田美術館の展覧会「組むたのしみ」では、
所蔵品をどのように組み合わせるかというおもしろさを
教えてもらった。
訪れた土曜日だったので、学芸員が20分ほど展示について
解説してくださったので、「なるほどー」と思えるところが
多くあった。その覚え書き。
お雛さまの掛け軸のそばに、桃の香合があった。
「交趾桃香合 銘みちとせ」。17世紀、明〜清時代に作られたもの。
千前年に一度しか実を結ばない、西王母の桃をあらわした香合だという。
銘は二つあり、「東方朔(とうほうさく)/藤の裏葉」。
こちらは利休が生きた16世紀、桃山時代の作。
東方朔は漢時代の人で、西王母の桃を盗んで食べて仙人になったとされる。
桃と、桃を盗んで食べて仙人になったひと。つながるというわけ。なるほど。
秋の、観月の道具組みでは、軸はウサギが描かれた「月下兎図」柴田是真筆。
茶碗は、砧(きぬた)青磁の「銘 満月」。
ひすいのような美しいブルーの色合いの茶碗で、
口をつける口縁が金色で縁取られていることから
「満月」と名付けられたのだそう。
今回出品されてなかで、いちばん気になった品であった。
解説を聞かずに連想できたらベストだけれど、それは無理というもの。
せいぜいタネ明かしを聞きながら、「へー、そうなんだ」と納得し、
誰かにお伝えできたらよしとしよう。