なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

秘密のお花見

 レンタサイクルを借りられなかったので歩いていたら、
戸が開いているお寺のようなお家のような門構えがあり、
奥に菜の花と桜がちらっと見えた。

ちょっと入ってみようという友人について細い露地を進む。
すると桜が満開だった。

ところどころにイスやベンチが置いてあり、座布団もある。
憩っている人がちらほら。

日に当たってふかふかした座布団に座る。
満開の桜を眺めて鳥の鳴き声を聞き、なんとも長閑(のどか)。

結構、人の行き来がある。
みな「こんにちは」と声をかけ合い、
3匹ほどいる猫は日向ぼっこしている。

話しかけてくれる人があり、会話していると、その相手はここにお住まいの方だった。

ふだんは公開していないんだけど、桜が咲く時期だけ扉を開け、
桜を自由に見てもらっているのだと教えてくれた。 

「いちばん桜がきれいに見えるところに長椅子を置いているから」と、
案内までしてくださる。

いま細い枝先まで満開に咲いている桜は、
ご当主のおじいさん、おばあさんの記念樹として植えたものであるのだという。

何だかわからないまま入ってきたという人はほかにもあり、
たまたま扉が開いている日に来られてラッキー、などと話していた。

いつまでも眺めていたい美しさ。
虫が蜜をもとめて花に接近するように、、
みな桜に誘われて集まるのだなあ。
思い出ぶかい、秘密のお花見となった。

f:id:chakurai:20150402211722j:plain


f:id:chakurai:20150402211745j:plain