なずなノート

お茶や暮らし、映画、日々の発見をぼつぼつと、ぶつぶつと

60年以上前に観た映画について話を聞く

  大阪のシネ・ヌーヴォの特集上映「『七人の侍』誕生六十周年記念 黒澤明映画祭」は、

ほとんどの作品が35㎜フィルムで上映された。

 

この特集で最初に観た『生きる』について、

80歳代の女性と話す機会があった。

最近、映画館で観たことを伝えると「いい映画ですね。

音楽もよかったですね。いのち短し〜の歌も」とお話されていた。

 

1952年の公開当時に観たという方と、62年の時を経て初めて観る機会を得た自分とが

最近公開された作品と同じような感覚で話ができることが不思議に思えた。


35㎜フィル上映だと、公開当時と同じ機材の環境のもとで

映画を観るということになるのかな。


同じような環境で観るというのも興味深いけれど、

60年以上前に観た映画のことを今も覚えていて、

すぐに話せるというのに驚いた。


デジタルがメインとなった今、

私たちが最近観た映画のことを、これから何十年先に

初めてその作品を観る人と話せる日が来るんだろうか。

あるいはデジタルの技術でよりよい環境で保存され、

鑑賞できる機会が増えたりするんだろうか。


その狭間あたりをこれから確かめることになるのかな。